16年使い続けるプラットフォームでも
古さを感じさせないデザイン
先代アウトランダーが2012年の発売なので、9年ぶりの全面改良になる今回のモデル。その先代も、プラットフォームは2005年に発売された初代アウトランダーから踏襲したものなので、プラットフォーム自体は16年ほど使い続けてきたことに。新型では、ルノー・日産・三菱グループの共通プラットフォーム「CMF(コモン・モジュール・ファミリー)」と呼ばれる彼らのプラットフォームのなかでも、Dセグメント車向けの「CMF-D」と呼ばれるタイプを採用。「え? エクリプスクロスPHEVは?」というと、実は先代アウトランダーとシャーシは共通だったりします。
エクステリアは近年の三菱らしいダイナミックシールドを採用。「デリカ D:5」の時は「すげーデザインだなぁ」と思ったことが懐かしく、今では逆に普通に見える不肖。一方、唯さんは見慣れていないようで、どう表現すればいいのか苦慮されている様子。そして出た答えが「なんかほっぺを膨らませて怒っているみたい」。唯さんの乙女な発想に周囲はほっこりです。
ボディーサイズは全長4710×全幅1860×全高1740mm。前モデルが4695×1800×1710mmですから、ほとんど変わっていないといえそうです。金額を度外視し、ざっくり言えばメルセデスのGLCやBMWのX3、レクサスのNX、ボルボ XC60、アウディQ5、マツダ CX-8、トヨタのハリヤーといったミドルクラスSUVがライバルとなりそうな大きさといえます。「間近で見ると、かなり大きなクルマですね」という印象を抱いた唯さん。ダイナミックシールドと相まって、威風堂々という言葉がピッタリです。
まずは荷室をチェック。3列シートということもあり、標準状態では少し幅の広い軽スーパーハイトワゴン程度といったところ。これはほかの3列シートSUVでも同じようなものです。「でもこのクルマ、確かシートがたためるんですよ」というと、唯さんは手際よくシートを収納するではありませんか。「どうして知っているの?」と尋ねる取材スタッフ一同。
「だって、モーターファン別冊ニューモデル速報第614弾『新型アウトランダーのすべて』(三栄/580円)の取材で、モデルをやりましたから」だそうです。「あとAC100Vのコンセントがあるんですよね」ということで、十分に理解済み。サッサとリアゲートを閉めてしまいましょう。
続いて話題の3列目シートをチェック。「あの……、座れません」ということで、2列目シートを結構前方へ動かさないと着座は不可能。当然2列目の足元はとても狭くなります。イメージとしてはNISSAN GT-Rの後席と同じようなものと思って頂ければと。NISSAN GT-Rと異なる点は、収納の関係上シートは薄くクッション性が少ないこと。
さらに構造上、どうしても乗降性は悪く、ミニスカートの唯さんはヒヤヒヤドキドキ。「使うことは滅多にないのかな」というのが同行スタッフの意見。このことを近くにいた開発者に申し上げたところ「あくまで緊急用といいますか、どうしても必要になった時に」とのこと。3列目シートを乗用される方は、素直にデリカ D:5を求められることをオススメします。
その一方、2列目シートは広々。シートはキルティング模様が施されており高級感を演出しています。このキルティング模様は近年の三菱車の上位グレードで見かけるもので、実際に見ると実に素敵。USBはType-AとType-Cを各1系統用意。さらにAC100Vアウトレットもあります。ただしちょっと奥まった場所にあり、使いづらいというのが正直なところ。「でも、これで運転席と助手席のシートバックにテーブルがあったら、もう仕事ができますよ!」と同行スタッフはニコニコ。唯さんも「広くて快適。いいですね」と文句ナシ!
続いて運転席へ。質実剛健、ザ・アウトドア、頼もしい、といった重厚さを感じさせるデザインで、実に三菱らしさを覚えます。
シフトレバーの近くに置かれた走行モード切替ダイアルに目が行きます。大型ダイアルを採用するあたり、三菱らしいと感じるところ。上質感に質実剛健な雰囲気。ステアリングを握りながら久々に三菱らしい三菱車に触れた気がしました。
ドライブモードは、三菱自慢の四輪制御技術「S-AWC」の動作を切り替えるもの。メーターパネル内の液晶画面によって、どういうモードになっているのかがわかりやすいです。ステアリングで目新しいのが運転支援の「MI-Pilot」。車線逸脱防止や前走車検知など、ロングツーリングでこの機能は今や安全性の面でも必須といえるでしょう。
上を見上げると大型のサンルーフ。オープンカー好きの唯さん的には好評で「天井が高くても、ルーフがあると圧迫感を覚えますからね。いいと思います」。ということで試乗してみましょう。
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