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最新パーツ性能チェック 第363回

最新エントリー向けGeForceの実力を試す

Ampere世代の“50番台”GPU、GeForce RTX 3050をレビュー! 低コストにDLSSを導入できるGPU

2022年01月26日 23時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

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上位モデルの要素は継承しつつコストダウン

 まず、RTX 3050のスペックを確認していこう。AMDはRX 6500 XTでより微細な6nmプロセスに移行したが、RTX 3050は既存のRTX 30シリーズと同じ、サムスンの8nmプロセス、かつRTX 3060と同じGA106コアを採用している。ノートPC向けのRTX 3050はGA107ベースなのにデスクトップPC向けはGA106にした理由は明らかにされていないが、AAAタイトルに対抗できる程度の性能を確保しようとした結果だと推測される。

 1世代前のRTXシリーズエントリーモデルであるRTX 2060と比較すると、VRAMの搭載量は6GB→8GBに増え、VRAMを要求する最近のゲームにより対応しやすくなった一方で、メモリーバス幅が192bit→128bitへ絞られているため、ここがパフォーマンスのボトルネックになることが想像できる。ごく少量出回っているVRAM12GB版RTX 2060はさておくと、VRAM搭載量とCUDAコア数はRTX 2060よりRTX 3050が強いが、VRAMへのバス幅のバランスを考えるとRTX 2060の方が優勢だ。

 また、RTX 3050のインターフェースはPCI Express Gen 4のx8接続となる。レーン数をx4に絞ったあまりGen 3環境でのパフォーマンスに大きな難点を抱えてしまったRX 6500 XTが記憶に新しいが、x8ならGen 3環境でも十分なパフォーマンスを発揮できるだろう。

RTX 3050と、その近傍のGPUのスペック。RTX 3050の補助電源の仕様は「カードの設計による」が公式だが、TGP130Wというスペックから推定されるスペックを記入してある

「GPU-Z」で評価用カードの情報を拾ってみた。Bus Interfaceの項目が「x8 4.0」である点から、GPU側のインターフェースがPCI Express Gen 4 x8であることが分かる。また「GA106(LHR)」表記から分かる通り、仮想通貨マイニング対策を施したコアであるようだ

Power Limit、即ちNVIDIAが言うところのTGPは150W設定。リファレンス仕様は130Wなので約15%パワーを引き上げたチューニングといえる

 RTX 3050で変わったのはGPUの回路規模(CUDAコア数やメモリーバス幅)だけであるため、技術的に見るべき部分は特にない。GPUに組み込まれたハードウェアエンコーダー(NVENC)およびデコーダー(NVDEC)についても、既存のRTX 30シリーズと同じ第7世代のNVENCと第5世代のNVDECを搭載している。RX 6500 XTがハードウェアエンコーダーすら除去してしまったのと対照的だ。

 ちなみに、RTX 30シリーズのNVENCやNVDECがどういったフォーマットのエンコード/デコードに対応しているかは、公式のNVENC/NVDEC対応表に出ているが、NVENCはRTX 20シリーズと共通、NVDECはAV1デコードが対応しているぶんRTX 20シリーズより高機能といえる。この表はRTX 3070を最後に更新が止まっているので、そろそろ更新していただきたいのだが……。

検証環境は?

 実際の検証に入る前に、今回の検証環境を紹介しよう。比較対象として現役世代の1ランク上であるRTX 3060、1世代前のRTXエントリーであるRTX 2060、そして最後に出た50番台としてGTX 1650をピックアップした。さらに、RTX 3050発売の1週間前に流通が始まったRX 6500 XTと、その1つ上のRX 6600を用意している。

 OSはWindows 11、仮想化ベースのセキュリティー(VBS)、Resizable BAR、そしてHDRも有効にしているが、これらの条件はRX 6500 XTレビュー時と共通である。ドライバーはRTX 3050がレビュー用βドライバーを、それ以外はGeForce 511.23 DriverとAdrenalin 22.1.2を使用した。

検証環境
CPU AMD「Ryzen 9 5950X」
(16コア/32スレッド、最大4.9GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN 360」
(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード GIGABYTE「B550 Vision D」(AMD B550、BIOS F14e)
メモリー G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」(DDR4-3200、16GB×2)
ストレージ Corsair「CSSD-F1000GBMP600」
(1TB M.2 SSD、PCIe 4.0、システムドライブ)
Silicon Power「SP002TBP34A80M28」
(2TB M.2 SSD、PCIe 3.0、ゲーム用ドライブ)
ビデオカード ZOTAC「ZOTAC GAMING GeForce RTX 3060 Twin Edge OC」(GeForce RTX 3060、12GB GDDR6)、
ASUS「ROG-STRIX-RTX3050-O8G-GAMING」(GeForce RTX 3050、8GB GDDR6)、
NVIDIA「GeForce RTX 2060 Founders Edition」、
ZOTAC「ZOTAC GAMING GeForce GTX 1650 OC」(GeForce GTX 1650、4GB GDDR6)、
GIGABYTE「Radeon RX 6600 EAGLE 8G」(Radeon RX 6600、8GB GDDR6)、
SAPPHIRE「PULSE AMD RADEON RX 6500 XT GAMING OC 4GB GDDR6 HDMI/DP」(Radeon RX 6500 XT、4GB GDDR6)
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」(1000W、80 PLUS PLATINUM)
OS Microsoft「Windows 11 Pro 64bit」

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