以前は全国(というほど広範囲じゃないけど)いろいろ回っては猫を撮っていたのだけど、コロナ禍で滞っていたのである。
だから久しぶりの猫のいる町へ行ってきた編。2022年元日。瀬戸内海エリアには尾道をはじめとする猫に出会える町がけっこうあるんだけれども、その一つ、広島県の鞆の浦である。
抱えていったのはニコンの最新にして最上位モデルの「Z 9」。これがもう最強の猫撮りカメラでもあったのだ。
何しろ猫認識AFは賢いし、AFはめちゃ速いし、一度被写体を捕まえたらずっと追いかけ続けてくれるし、ファインダーは見やすいし連写も高速。AF-ONボタンを押したままにし、被写体自動認識が猫を捕まえたらズーミングや構図やタイミングでシャッター。撮るときの一番気持ちいいところに集中できるのだ。
さて、鞆の浦はもう10回以上訪れてるなじみの場所なのだが、コロナ禍もあって今回は2年半ぶり。いつものところに猫たちはいるかなと路地奥の階段を上ろうとすると、すでにチャシロが一匹待ってた。元日早々ありがとう。
猫に向かって階段を上ると、チャシロもきびすを返して逃げるように上っていき、途中で右手の草むらにぴょこんと逃げ込んでこちらを見ながらにゃあ。
実はこの階段の途中に猫を保護して世話をしているとおぼしき家があり、その前に募金箱も置いてあって、猫たちはそこをベースに遊んでいるようなのだ。このチャシロもその1匹で、実は人にすごく慣れてる。
募金箱に募金してたら、敵ではないとわかったのか、ぴょこんと飛び降りて足元にやってきた。
そして足元に来ちゃったのである。こうなったら撫でて上げたい。しゃがんで撫でてやると、ちょいと近すぎて重たいZ 9で撮るのは大変なのでiPhoneで。
さてさて階段を上ると高台のてっぺんで、お寺の境内である。晴れた冬にはぬくぬくと日向ぼっこしてる猫たちがいるはずだが、いない。でもまあとりあえず休憩しようと荷物を置いてくつろいでると、どこからともなく猫が顔を出してくる。数年前と変わらない光景で何よりである。
その1匹が首輪をした黒猫。気がついたら荷物の横にやってきてちょこんと座ってるではないか。
このあと、妻の膝に予告なくひょいとのっかり、動かなくなってしまったのである。いやはや人に慣れてるにもほどがある。このまま30分くらいじっとしておりました。ここは車ではたどりつけない階段の上で、地元の人や、観光客の一部しかこない人通りが少ない場所であるから、猫たちも安心なのだろう。
さて先ほどのチャシロ猫はどうなったか。実は、頂上で黒猫や他の猫たちと遊んでると、仲間に入れて欲しげな顔で階段を上ってきたのである。
上ってくる様子を連写しながら撮ったのだが、その1枚が冒頭写真。Z 9は最強の猫撮りカメラ確定といっていい超高性能なのだけど、何しろ苛酷な現場で仕事するプロ向けのカメラなので大きくて重くて頑丈で良いのだが、我々が気軽に使うにはちとヘビーで、1日持って歩いてたら腰が疲れました。
それはともかくとして、Z 9はあまりに優秀で気持ちよくバシバシ撮れる最強の猫撮りカメラだったので、Z 9で撮った猫ネタはもうちょっと続きます。
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筆者紹介─荻窪 圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書) (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)、『古地図でめぐる今昔 東京さんぽガイド 』(玄光社MOOK)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/

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