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鉄板&今が旬なパーツを性能検証!! 第42回

38mm厚ラジエーターが良い!

【鉄板&旬パーツ】ARCTIC製簡易水冷「Liquid Freezer II」の実力を爆熱のCore i9で再テスト

2022年01月08日 12時00分更新

文● 藤田 忠 写真●藤田 忠 編集●北村/ASCII

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280mmと360mmモデルを試してみた!

 さっそく、Liquid Freezer IIをCore i9-12900Kで組んだマシンに取り付けて、その冷却性能をチェックしていこう。テストはLiquid Freezer IIがラインアップする120mm(国内取り扱いなし)、240mm、280mm、360mm、420mmサイズのラジエーターのなかから、280mmと360mmモデルを試すことにした。

 オールインワン水冷ユニットに限らず、冷却性能に大きく影響するのはラジエーター(ヒートシンク)の体積だ。Liquid Freezer II 280は1662cm3、Liquid Freezer II 360は1814cm3と、大きく違わないが、主流と言える280mmと360mmを選んでいる。

140mmファン×2基の280mmと、120mmファン×3基の360mmラジエーターサイズモデルでテスト

Liquid Freezer IIのCPU受熱ベース部は、44×40mmと小さめだが、Core i9-12900Kの中央部にしっかり接触するので問題ない

テスト環境
CPU インテル「Core i9-12900K」
(16コア/24スレッド、最大5.2GHz)
CPUクーラー ARCTIC「Liquid Freezer II」
(簡易水冷、280mm、360mmラジエーター)
マザーボード MSI「MAG Z690 TOMAHAWK WIFI DDR4」
(インテルZ690、ATX)
メモリー G.Skill「F4-3600C16D-32GTZNC」
(16GB×2、DDR4-3600)
ビデオカード Palit「GeForce RTX 3080 Ti GamingPro 12GB」
(GeForce RTX 3080 Ti、GDDR6X 12GB)
ストレージ Samsung「980 PRO MZ-V8P2T0B/IT」
(2TB、PCIe4.0 NVMe)
電源ユニット SUPER FLOWER「LEADEX VI PLATINUM PRO 1000W」
(1000W、80PLUS PLATINUM)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」

CPUをフルロードさせてチェック

 テストにはCPUがフルロードされる「CINEBENCH R23」を利用。マルチコアテストを30分間実行した際のCPU温度や動作クロックを「HWiNFO64 PRO」を使って記録している。

 Core i9-12900Kは、マザーボードBIOS(UEFI)の「OC」「CPU Cooler Tuning」で、MTP241W動作となる「Boxed Cooler (PL1:241W)」に設定した状態に加えて、性能をさらに引き出す「Water Cooler (PL1:4096W)」設定時でテストしている。

16コア/24スレッド動作するCore i9-12900K。高い性能を発揮するが、MTP241W動作時はその性能のともに、高発熱、高消費電力になる

テストに使った「MAG Z690 TOMAHAWK WIFI DDR4」は、BIOS(UEFI)の「CPU Cooler Tuning」で、CPUの動作を簡単に設定できる

ラジエーターファンは、MSIのファンコントロール「Smart Fan Mode」のオート設定で制御し、ポンプは最大回転固定としている

80度台を維持できる冷却性能を発揮

 マルチコアテストの後半10分間のCPU温度(CPU Package [℃])を抽出して、推移と平均・最高温度をまとめている。まず、MTP241W実行時を見ると、想定していた以上に280mmと360mmサイズの温度に差は出ず、ともに最高温度は85度、平均81度台とCore i9-12900Kを不安なく使える温度になっている。

 続いて、MTP制限を取り払い「CPU Package Power」が最大253W程度までアップした「Water Cooler (PL1:4096W)」設定時の結果を見ると、CPU Package Powerがアップした分CPU温度は上昇したが、最高で88度、平均は約84度に抑え込まれている。テストは時期的に室温が20度前後、バラック状態でのテストではあるが、室温と同じ新鮮な風をラジエーターに当てられるPCケースフロント設置なら、大きく変わらない冷却性能を得られるだろう。

 テスト中、ラジエーターファンは280mmモデル採用の「P14 PWM」が1600~1700rpm台で回転し、360mmモデルが採用する「P12 PWM」は最大回転を超える1800rpm台で高回転していた。そんなテスト中の騒音値を計測すると、280mmモデルはアイドル時36.4dBAのところ、テスト中は41.5dBAに。360mmモデルはアイドル時36.1dBA、テスト中41.6dBAになっていた。さすがに最大回転状態なので40dBAを超えてしまうが、耳障りな風切り音や、高周波なかったので、PCケースに収めてしまえば、そこまで気にならないだろう。

Core i9と安心して組み合わせられる「Liquid Freezer II」

 Liquid Freezer IIシリーズはラジエーターの厚さが38mmとぶ厚いため、25mm厚ファンと合わせると、取り付けスペースに70mm程度の余裕が必要になる。

 そのため、どうしても組み合わせられるPCケースは限られてしまうが、第12世代Coreプロセッサー最上位になるCore i9-12900K/KFの性能を最大限に引き出せるだけでなく、CES 2022で発表されたシングルコア最大5.5GHzで動作する“KS”モデルにも対応できそうな高い冷却性能を発揮したLiquid Freezer II 280とLiquid Freezer II 360は、かなりおすすめと言えるだろう。

ラジエーターの厚さが38mmとぶ厚いLiquid Freezer IIシリーズ。組み合わせられるPCケースは限られてしまうが、第12世代Coreプロセッサーの性能を最大限に引き出せる

 LGA1700に対応するRev.6の国内発売を待つのもありだが、オリオスペックで扱っている「Liquid Freezer II」用LGA1700マウンターと一緒に「Liquid Freezer II」本体を購入するのもおすすめだ。

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