NTTドコモは、スタンドアローン方式の5Gサービス(5G SA)について、今日13日から法人ユーザー向けに提供を開始したと発表した。個人ユーザーには来夏の開始を予定している。
これまでのドコモの5Gサービスでは、コア部分は4Gの設備を用い、実際の通信には4Gと5Gを組み合わせるノンスタンドアローン方式(5G NSA)を用いてきたが、5G SAではコア部分まで5Gになることで、低遅延化やさらなる高速・大容量化、またネットワークスライシングと呼ばれるネットワークの仮想的な分割など、これまで5Gの利点としてうたわれてきた機能の多くが利用可能になる。
今回の法人ユーザー向けサービスは、サブ6(3.7GHz帯、4.5GHz帯)で提供。通信速度は下り最大1.7Gbpsで、SA対応のデータ端末との組み合わせで利用できる。また、個人ユーザー向けのサービス開始時にはSA対応のスマートフォンも用意するとともに、現在は下り最大4.2Gbpsの通信速度をさらに向上させる予定となっている。
なお、法人ユーザーには単にネットワークだけでなく、ドコモネットワーク内に構築されたエッジコンピューティングのプラットフォーム、高精細映像やXRなどのソリューションも合わせて提供される。また、予定されている5G SAの活用事例として、東京女子医科大学における外科手術での遠隔からの支援、TBSテレビでの中継現場とサブスタジオ間の映像のリアルタイム伝送、エヴァンゲリオンで知られるカラーでのワコムのタブレットを活用したリモートでの作画作業などが紹介された。
質疑応答では、現在4Gで用いている周波数の5Gへの転換の時期について問われ、「準備は技術的には着々と進めているが、現状では4Gを多くのユーザーが使っており、影響を見ながら検討している」と回答した。