旅に出る理由の一つとして人気の「温泉」。日々の疲れを取るもよし、その土地ならではの観光や食を合わせて楽しむもよし。大自然に囲まれた歴史ある日帰り温泉で、心も体も癒されに行ってみませんか? 歴史に名を残す歌人や俳人など文化人も通った名湯も登場します。
コース行程
みなかみ町にある上毛高原駅を出発し、新潟へ新幹線で北上、そして新潟駅から本州を横切るような形で福島に移動、会津若松へ向かうルートです。燕三条駅から新潟駅までローカル線で移動、そして高速バスを利用し約1時間50分(約110分)ほどで会津若松駅に到着。会津若松駅から福島駅までの移動は新幹線(在来線乗り継ぎ)で約1時間40分(約100分)、もしくは高速バスで約1時間20分(約80分)です。移動手段によっては各地の風景を楽しめるのもうれしいですね。それぞれご当地グルメや地酒を楽しめるエリアでもあるので、途中下車をしてみるのもおすすめです。
毎分1800ℓの湧出量と総面積470畳の広さを誇る大露天風呂
みなかみ町「宝川温泉」
山々に囲まれた水源の町、みなかみ町。谷川岳をはじめ自然の魅力満載で、特にウォータースポーツや山で楽しめるアクティビティが充実していて、四季折々で楽しめるのが特徴です。夏はサップやラフティング、冬はスキー、通年でバンジージャンプや乗馬もできます。レジャー終わりは、毎分1800ℓの湧出量と総面積470畳の広さを誇る大露天風呂「宝川温泉」でゆっくり疲れを取るのがおすすめです。
みなかみ町の温泉ならココへ! 宝川温泉 宝川山荘
大正時代頃に湯治場としての宿泊施設が作られ、現在の形になった宝川温泉。自慢は野趣あふれる巨石をふんだんに使った計470畳分の4つの大露天風呂です。現在、混浴露天風呂は男性、女性ともに湯浴み着を着用しての入浴となっています。かけ流しの温泉を存分に満喫できる日帰り温泉です。
DATA
住所:群馬県みなかみ町藤原1899
宝川温泉 宝川山荘
別名「霊雁(れいがん)の湯」とも呼ばれる、開湯300年の名湯
新潟市「岩室温泉」
江戸末期に開港5港の一つに指定された歴史のある「みなとまち」、新潟市。日本一長い河川の信濃川など多様な水辺空間にも恵まれ、水田面積は市町村別で日本一を誇ります。米どころでもあり、日本酒の藏元も多数あるので、地元のおいしい郷土料理と合わせて銘酒も楽しみたいですね。水田と並んで見える岩室温泉(写真)は、300年以上続く温泉街です。
新潟市の温泉ならココへ! 岩室温泉
岩室温泉は300年の歴史ある湯の街です。1713(正徳3)年、一羽の傷ついた雁が温泉に浴して傷を癒していたといういい伝えから、「霊雁の湯」と呼ばれています。1963(昭和38)年、温泉利用の効果が十分期待され、かつ、健全な保養地として活用される温泉地「国民保養温泉地」に指定され、泉質のよさでは折紙付きの名湯です。旅館「ゆもとや」裏には、狭い広場に源泉を祀るお社と雁のモニュメントがあるので、ぜひ立ち寄ってみてください。温泉のほかにも、海にも山にも近いという地形を活かした新鮮な海の幸と山の幸を堪能できます。炊きたてご飯3種類(コシヒカリ・こしいぶき・新之助)の食べ比べ体験(有料、岩室温泉街宿泊者対象で岩室温泉観光施設「いわむろや」で開催)や、6月下旬~7月上旬にはホタルの飛翔が見られます。
DATA
住所:新潟県新潟市西蒲区岩室温泉
岩室温泉
竹久夢二や与謝野晶子に愛された歴史ある温泉郷
会津若松市「会津東山温泉」
鶴ヶ城や白虎隊に代表される歴史・伝統・文化が今に息づく、会津若松市。磐梯山や猪苗代湖など、豊かな自然に囲まれています。国の伝統的工芸品に指定されている会津漆器をはじめ、素朴ながらも美しい地縞が特徴の会津木綿などの伝統工芸が400年以上に渡り受け継がれている市でもあります。さらに温泉街である会津東山温泉では、江戸期から続く東山芸妓(からり妓さん)の歴史も長く、現在も歌や踊り、宴席でのお座敷が楽しめます。写真は過去に開催された「桜まつり」の様子です。
会津若松市の温泉ならココへ 会津東山温泉
会津の奥座敷・東山温泉は今から約1300年前、名僧・行基によって発見されたといわれ、奥羽三楽郷に数えられる歴史ある温泉郷です。市内中心部から約10分の立地でありながら美しい自然に囲まれ、竹久夢二や与謝野晶子などの墨客にこよなく愛された名湯です。泉質はサラサラの硫酸塩泉です。夏には川床で夕涼みも楽しめます。
DATA
住所:福島県会津若松市東山町湯本滝ノ湯110
会津東山温泉
地元の人も愛する素朴な9つの共同浴場
福島市「飯坂温泉」
西は吾妻連峰、東は阿武隈高地に囲まれた盆地特有の気候や風土を生かした四季折々のフルーツが楽しめ、また明治時代に建てられた芝居小屋「旧広瀬座」が保存される民家園が見られる福島市。全国的にも珍しい縄文時代の村跡「宮畑遺跡」があるほか、浄土平や花見山、阿武隈峡など、美しい自然を楽しめるスポットが多いのが福島市の大きな魅力です。そして歴史ある飯坂温泉の共同浴場は、一番古い「鯖湖(さばこ)湯」(写真)をはじめとした雰囲気のある外観も魅力の一つです。
福島市の温泉ならココへ 飯坂温泉
宿泊はもちろん、9つの共同浴場や、足湯が楽しめる飯坂温泉。なかでも共同浴場で一番古い湯の「鯖湖(さばこ)湯」は、1689(元禄2)年に飯坂を訪れた松尾芭蕉も入浴したといわれています。日本最古の木造建築共同浴場として親しまれてきましたが、老朽化により1993(平成5)年、当時の姿を再現し改築され、明治時代の共同浴場を再現した御影石の湯船や、外観に使われているヒバの香りに包まれて至福の時を過ごせます。ほかにも宿泊可能な温泉旅館も多数あるので、共同浴場巡りと合わせて旅館での宿泊もおすすめです。
DATA
住所:福島県福島市飯坂町字十綱町3(飯坂温泉観光協会)
飯坂温泉
日々の疲れを癒しながら歴史や自然を満喫できる名湯巡り
温泉は病気やケガの治療のために訪れる人がいるほか、日本全国の温泉地によって源泉が違うので、それぞれの土地で楽しめるのが魅力です。大自然を堪能できる露天風呂、地元の人も利用する共同浴場や日帰り温泉など、宿泊のみならず日帰り温泉が充実しているのも温泉大国・日本ならではですね。湯上がりに地元グルメ、銘酒を楽しみながらのんびりしたり、季節によっては自然を楽しんだり、アクティビティに挑戦してみてもいいですね!
※この記事は、「つなぐ旅~東日本~ ひがしにほんトラベルガイド」から転載しています
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