NTTe-Sportsが提案する新しい社内コミュニケーションの形
令和の社内レクは「eスポーツ」? eXeField Akibaでの体験会を取材
2021年11月16日 14時00分更新
金曜日の夜にいい大人が秋葉原に集まって「ぷよぷよ」をプレイ? 実はこれはNTTe-Sportsが主催した社内レク向けeスポーツ大会の体験会だ。コロナ禍で社内コミュニケーションの断絶が叫ばれる中、果たしてeスポーツは社内レクとしてありなのか? 会場となったeXeField Akibaを取材してみた。
コロナ渦の社内コミュニケーション危機 eスポーツという選択肢
コロナ禍におけるテレワークの隆盛や巣ごもりで、めっきり失われたのが社内でのコミュニケーションだ。社員総会や懇親会はもちろん、バーベキューやボーリングなどいわゆる社内レクと呼ばれるリアルイベントはほぼなくなり、同じチームやプロジェクトに所属しても、お互いの考え方や人どなりを理解するのが難しくなった。もちろん、オンラインでの飲み会やイベントも試されているが、リアルのイベントに比べるとどうしても解像度は低下してしまう。チーム力の低下に頭を抱える経営者や管理職は多いだろう。
こうした悩みに対して、NTT東日本の子会社でeスポーツ事業を手がけるNTTe-Sportsが先日リリースしたのは企業や団体が運営するeスポーツ大会をまるごとサポートする「eスポーツ×社内レクパッケージ」になる。今回はこのパッケージの体験会を取材してきた。
会場となったのは、秋葉原UDX内にあるNTT e-Sportsの施設「eXeField Akiba(エグゼフィールドアキバ)」。昨年オープンしたばかりのeXeField Akibaは175㎡の敷地に、プレイエリア、配信エリア、カフェエリア、ICTエリアが設置されており、eスポーツ大会、トレーニング、配信スタジオといったeスポーツ関係の用途から、技術ショールーム、実証実験会場、セミナー等、ICTに関連する幅広い用途で利用できる。迫力のある壁一面のディスプレイとド迫力の音響がeスポーツ大会を盛り上げてくれる。
国内でも盛り上がるeスポーツ 企業での活用も模索
さて、夕方から行なわれた体験会に集合したのは、会社も組織も違う異業種交流会の6人のメンバー。メンバーの中の1人がNTTe-Sportsの社員だったことから、今回の体験会に発展した。以前、パイロット導入した企業の大会には、20社近くも見学に訪れたとのことで、関心の高さがうかがえる。
まずは司会から簡単にeスポーツの概況を説明。eスポーツというと、海外大会の多額の賞金が話題になるが、地域や言語、性別、年代を超えたコンテンツとして、誰でも楽しめ、どこでも楽しめ、つながりを生むという特徴がある。特に地域課題の解決には大きな期待が寄せられており、学校や福祉、医療での利用、地域活性化、国際交流など、さまざまな拡がりを魅せている。
経産省も2025年に3000億円規模の経済効果創出を目標に、国内での市場の成長を支援。また、2019年の国体での文化プログラム採用を皮切りに、地域活性化のコンテンツとしても期待されており、自治体や教育機関、民間企業の参入やスポンサー企業の増加が続いているという。
企業でもeスポーツ部が結成される会社が増え、企業対抗戦も行なわれるようになった。将来的には実業団リーグの開設も見込んでいる。こうしたeスポーツの活用形態の1つが今回のような社内レクとしての利用だ。
初心者でも楽しめる 巨大な画面の観戦はやっぱり盛り上がる
eスポーツの現状について理解したところ、いよいよぷろぷよ大会のスタート。ご存じぷよぷよはシンプルな落ち物ゲームでありながら、戦略性も高く、eスポーツイベントの競技種目としても採用されることが多い。今回はトーナメント戦で、集まったプレイヤーたちが前面にある2台のNintendo Switchで競技を体験した。
eスポーツというと、名うてのプレイヤーによるガチ勝負なイメージがあるが、今回の参加者は初心者も多く、最初はいかにもおっかなびっくりなプレイ。しかし、経験者からのアドバイスを受けて、あっという間に上達するプレイヤーもいて、どんどん白熱する。優勝は普段子供たちとぷよぷよをプレイしているお父さん。やはりこういうのは日々の鍛錬が重要というわけだ。
個人的な感想としては、なにしろ巨大画面でほかの人のゲームプレイを観戦するのが、こんなに楽しいとは思わなかった。途中にイギリスに渡ったグループのメンバーがMicrosoft Teamsで参加したが、海の向こうはちょうど就業時間ということで、今回は挨拶だけ。とはいえ、場所を問わずにオンラインで参加できるのはeスポーツの大きなメリットだ思う。
本格的なeスポーツ会場での大会は社内レクとしてありか?
eXeField Akibaでは飲食も提供できるので、プレイが終わった後は、こだわりのビールとスナックで乾杯。ゲームを肴に話しも盛り上がる。参加者に感想を聞くと、「うちでもやってみようかな」という声がちらほら。リアルイベントならではの楽しさもあるが、ゲームが潤滑油としてきちんと機能しているようだ。
今回体験会を取材したNTTe-Sportsの「eスポーツ×社内レクパッケージ」は、本格的なeスポーツ大会の運営・実況・配信までを同社にお任せして税込110万円。会場だけ借りると、約半額で済む。自身がeスポーツプレイヤーでもあるNTTe-Sports社長の中村 浩氏は、「これを高いと考えるか、安いと考えるかは人によって異なりますが、とにかくわからない人にはeスポーツを体験してもらい、次回以降は自走してもらえばいいと思います」と語る。個人的には、eスポーツ大会の運営とはどんなものなのか?を学ぶ授業料+会場料と考えれば、充分もとはとれると思う。
正直、社内のメンバーでやったら盛り上がるのは確実だし、部下と上司の見えない壁を壊すきっかけとしても期待できそう。実際は年始までは貸し切り予約がいっぱいとのこと。令和の社内レクとして、今後は選択肢に加えてもよいのではないだろうか?