メインマシンをM1搭載の13インチMacBook Proから、M1 Maxの14インチMacBook Proに乗り換えました。選んだモデルやチョイスの理由、その実際などについて、少しじっくりお伝えしていければと思います。
M1がコンパクトなエコカーなら、M1 Maxはハイパワーが売りのハイブリッドスポーツ
筆者が選んだのは、M1 Max 10コアCPU・32コアGPU・64GBメモリを搭載する14インチMacBook Proでした。
本当は24コアGPU・32GBを選択しようとしたのですが、発注の関係で12月以降の配送となってしまったことから、これをキャンセルし、M1 Max搭載のApple Store店頭販売モデル(いわゆるUltimate構成)を選択することになりました。
13インチMacBook Proからの乗り換えとなるため、サイズ自体はひとまわり大きくなっています。側面から底面にかけてシェイプが絞られていた前デザインに対して、今回はそうした造型はなく、ただ角を落としてラウンドしているだけであるため、サイズ拡大以上に大柄に、かつ分厚く見えます。
しかし実際、最も厚みのある部分の比較では、新モデルの方が0.1mm薄くなっているというスペックを見て、少し目を疑いました。それだけMacBook Air以来の底面のシェイプが薄く見せる演出効果を持っていたことを思い知らされたのです。ちなみに重さは200g増。カバンにも寄りますが、まあ吸収できる重量増、という感覚ではあります。
やはり個人的に楽しみにしていたのはディスプレー。やや拡大し、さらにノッチを伴いながらもほぼオールスクリーンと言えるほどに縁部分が減少したLiquid Retina XDRは、最大輝度1000ニト、ピーク輝度1600ニトで、これまでの500ニトから大幅に明るくなりました。屋外のカフェでの作業の際に、どうしても写真やビデオを細かく確認したい場合、一時的にでも輝度を上げて対応できます。
一方、M1搭載MacBook Proと比べて明らかに劣る点はバッテリーです。アップルが提供しているチップの画像を見ても明らかなとおり、チップのサイズはM1の倍がM1 Pro、M1 Proの倍がM1 Maxというサイズ構成。そのため、M1の頃にこうした原稿を書いていると、1時間に1%減るかどうかだったバッテリーは、M1 MaxのMacBook Proでは、1時間に2〜3%のスピードで減っていきます(いずれも輝度50%程度)。
それでもテキスト仕事だけなら30時間以上作業できてしまいゾッとするわけですが、ここにビデオ会議や動画編集などの作業が加われば、その作業自体のパフォーマンスは非常に高い一方、バッテリー持続時間はより短くなってしまいます。
M1がコンパクトなエコカーなら、M1 Maxはハイパワーが売りのハイブリッドスポーツみたいな位置づけでしょうか。M1 Proは設定次第ではM1のようなバッテリー持続時間を発揮できるため、ピーク性能がいらないということであれば、M1 Proも良いチョイスだと思いました。今さらですが。
それでもM1 Maxの14インチMacBook Proも、Intel時代に比べると十分バッテリーが長持ちするという感覚。むしろM1がおかしいぐらい電池が持つというわけです。
では、今回のMacBook Proについて、見ていきましょう。
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