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ASCII Power Review 第149回

フラッグシップモデルとカメラで徹底比較してみました

グーグル「Pixel 6 Pro」実機レビュー = カメラはiPhoneを超えた!

2021年10月26日 12時00分更新

文● 写真 ジャイアン鈴木 + 編集● ASCII PowerReview軍団

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 Googleはフラッグシップスマートフォン「Google Pixel 6」と「Google Pixel 6 Pro」を10月28日に発売する。両機種はカメラ性能に注力されているので、「iPhone 13 Pro Max」「HUAWEI P50 Pro」「Mi 11 Ultra」とカメラ画質を比較してみた。

「Google Pixel 6 Pro」直販価格11万6600円~

Pixel 6/6 Proのパッケージには本体以外に、「1m USB-C - USB-Cケーブル(USB 2.0)」、「クイックスイッチアダプター」、「クイックスタートガイド」、「安全、保証、規制に関するガイド」、SIMツールが同梱されている

Google初の純正プロセッサー
「Google Tensor」を搭載

 Pixel 6/6 ProはGoogle初の純正プロセッサー「Google Tensor」を搭載したフラッグシップスマートフォンだ。両機種の主な違いは下記の通りで、ディスプレー、カメラ、メモリー(RAM)容量、サイズ/重量、バッテリー、ネットワークとなる。


・ディスプレー
 Pixel 6
6.4インチFHD+ OLED(1080×2400ドット、411ppi、アスペクト比20:9、リフレッシュレート60~90Hz、コントラスト比1,000,000:1、HDRサポート、Corning Gorilla Glass Victus)
 Pixel 6 Pro
6.7インチQHD+ OLED(1440×3120ドット、512ppi、アスペクト比19.5:9、リフレッシュレート10~120Hz、コントラスト比1,000,000:1、HDRサポート、Corning Gorilla Glass Victus)

・カメラ
 Pixel 6
広角カメラ(50MP、1.2μm、F1.85、82度、1/1.31インチ、OIS)
ウルトラワイドカメラ(12MP、1.25μm、F2.2、114度)
前面カメラ(8MP、1.12μm、F2.0、84度、固定フォーカス)
 Pixel 6 Pro
広角カメラ(50MP、1.2μm、F1.85、82度、1/1.31インチ、OIS)
ウルトラワイドカメラ(12MP、1.25μm、F2.2、114度)
光学4倍望遠カメラ(48MP、0.8μm、F3.5、23.5度、1/2インチ、OIS)
前面カメラ(11.1MP、1.22μm、F2.2、94度、固定フォーカス)

・メモリー(RAM)容量
 Pixel 6 : 8GB LPDDR5
 Pixel 6 Pro : 12GB LPDDR5

・サイズ/重量
 Pixel 6 : 158.6×74.8×8.9mm/207g
 Pixel 6 Pro : 163.9×75.9×8.9mm/210g

・バッテリー
 Pixel 6 : 最小4524mAh/標準4614mAh
 Pixel 6 Pro : 最小4905mAh/標準5003mAh


・ネットワーク
 Pixel 6 : ミリ波非対応
 Pixel 6 Pro : ミリ波対応

・カラー
 Pixel 6 : Stormy Black/Kinda Coral /Sorta Seafoam
 Pixel 6 Pro : Stormy Black/Cloudy White/Sorta Sunny
 

 これら以外の仕様は基本的に共通。OSは「Androd 12」を採用。ストレージ(UFS 3.1)は128GBと256GBが用意されており、従来モデルと同様にmicroSDメモリーカードスロットは用意されない。生体認証としては「ディスプレー内蔵指紋認証センサー」を採用している。

 ボディーはIP68準拠の防水、防塵性能を実現。バッテリー駆動時間は両機種とも、通常モードで24時間以上、「スーパーバッテリーセーバー」モードで最長48時間と謳われている。また、急速充電、急速ワイヤレス充電に対応し、ほかのデバイスをワイヤレス充電可能な「バッテリーシェア」機能を搭載している。

 ワイヤレス通信機能はWi-Fi 6E(11ax)、Bluetooth 5.2、超広帯域無線チップ、NFCに対応。有線インターフェースはUSB 3.1 Gen1 Type-C端子を装備。FeliCaチップを搭載しており、おサイフケータイ機能にも対応している。

 従来モデル「Pixel 5」はミドルレンジクラス向けのプロセッサーが搭載されていたが、Pixel 6/6 Proでは「Google Tensor」を搭載。ディスプレー、カメラのスペックもハイレベルだ。満を持してGoogleのフラッグシップスマートフォンが帰ってきた のである。

Pixel 6 Proのディスプレーは、6.7インチQHD+ OLED、Pixel 6は、6.4インチFHD+ OLED。

下面にはUSB 3.1 Gen1 Type-C端子を用意

右側面には電源ボタンとボリュームボタン、左側面にはnanoSIMカードトレイを配置

Pixel 6 Proには、広角カメラ、ウルトラワイドカメラ、光学4倍望遠カメラ、前面カメラが搭載されている。

nanoSIMとeSIMのデュアルSIM仕様。microSDメモリーカードには非対応だ

Pixel 6 / Proともに「ディスプレー内蔵指紋認証センサー」を採用。筆者はPixel 6にミヤビックス製保護フィルム「OverLay Plus」(反射防止)を貼ってみたが、特に問題なく指紋認証でロック解除できた

Pixel 6 ProにはSoft Sage、Stormy Sky、Light Frost、Golden Glow(Googleストア限定)の「Google Pixel 6 Proケース」(3630円)、Pixel 6にはCotton Candy、Light Rain、Stormy Skyの「Google Pixel 6ケース」(3630円)が用意されている

Pixel 6 Proのサイズは163.9×75.9×8.9mm、重量は210g。Pixel 6のサイズは158.6×74.8×8.9mm、重量は207g

Pixel 6 Proは左右側面がカーブを描いた湾曲ディスプレーを採用している

Pixel 6/6 Proに実装された独自機能
新UI「Material You」に音声認識と言語処理

 Pixel 6/6 Proには「Android 12」がプリインストールされているが、さまざまな独自機能も実装されている。

 まずは新UI「Material You」。従来のPixelシリーズをお持ちの方はすでに体験しているはずだが、壁紙を変更するとその色調に合わせて、システムUI、ウィジェット、アプリアイコンの色も変えてくれる。また、「壁紙とスタイル」で「テーマアイコン(ベータ版)」を有効にすると単色のアプリアイコンに変更可能だ。カスタマイズ性の高い「ホームアプリ」は多くリリースされているが、手軽さという点で差別化できている。

Pixel 6/6 Proは新UI「Material You」を採用した「Andorid 12」を搭載。壁紙を変更するとその色に合わせて、システムUI、ウィジェット、アプリアイコンの色も変えてくれる。なお、「壁紙とスタイル」で「テーマアイコン(ベータ版)」を有効にすると単色のアプリアイコンに変更されるが、記事執筆時点で筆者が常用している他社製アプリのアイコンは変わらなかった

 Pixel 6/6 Proは「Google Tensor」により音声認識と言語処理モデルが進化。メッセージを手軽に送るための機能「アシスタント音声入力」により、「送信」、「消去」、「停止」などの音声コマンドを利用可能になった。「メッセージ」アプリ以外の「Facebook Messenger」や「LINE」などでも利用可能だが、記事執筆時点で「Chatwork」では「送信」コマンドを使っても「このアプリではコマンドを使用できません」というエラーメッセージが出てしまった。すべてのチャットアプリが対応することを期待したい。

「アシスタント音声入力」は「メッセージ」アプリ以外の、たとえば「Facebook Messenger」でも、音声による「送信」、「消去」、「停止」というコマンドを使える。ただし「Chatwork」では「送信」コマンドを使っても「このアプリではコマンドを使用できません」というエラーメッセージが出てしまった(記事執筆時点)

 リアルタイム翻訳機能も充実。たとえば「Facebook Messenger」や「LINE」などのアプリで、メッセージがシステム言語と異なることを認識すると、自動的に翻訳を表示してくれる。また、音声や動画コンテンツなどの「自動字幕起こし」、「字幕を翻訳」機能も利用可能だ。さらに、最大48言語に対応する「通訳モード」も搭載されている。

アスキーのYouTube動画(https://youtu.be/HEhq1kQVWIA)を「YouTube」アプリで再生し、端末の「自動字幕起こし」と「字幕を翻訳」を有効にしてみた。翻訳が怪しい箇所はあるが意味は通じる

 Pixel 6/6 Proでは「レコーダー」アプリが日本語に対応。「文字起こし」を有効にすると、音声を録音しながらテキストデータが自動的に生成される。デバイス内のライブラリー全体からテキスト検索も可能なので、プライバシーを保ちつつ、膨大な音声データを手軽に管理、活用できる。

上のYouTube動画をテレビで再生し、「レコーダー」アプリで録音しつつ、「文字起こし」を有効にしてみた。テレビ越しの音声ということで誤認識している箇所も多いが、このぐらいの精度でテキスト化してくれるなら、インタビューなどのテープ起こしが相当ラクになる

AnTuTuランキング1位に対しては
90%の速度となったが

 Pixel 6/6 Proは前述のとおり、Google初の純正プロセッサー「Google Tensor」を搭載している。今回ベンチマークを実施したところ、下記のような結果となった。


・Pixel 6
「AnTuTu Benchmark」の総合スコア : 737473
「Geekbench 5」のMulti-Core Score : 2857
「3DMark」のWild Life : 6820
「AI Benchmark」 : 258.6

・Pixel 6 Pro
「AnTuTu Benchmark」の総合スコア : 745354
「Geekbench 5」のMulti-Core Score : 2804
「3DMark」のWild Life : 6457
「AI Benchmark」 : 269.3

 記事執筆時点の「AnTuTu Benchmark」ランキングで1位の「RedMagic 6 Pro」が825145を記録しているので、Pixel 6/6 Proのスコアは残念ながら、その89~90%だ。

 とは言えGoogleは、「Pixel Fall LaunchでCPUとGPUのピーク速度が実際のユーザーエクスペリエンスをつねに反映しているわけではない」と主張しており、その言葉を裏付けるとおり音声認識と言語処理、カメラ機能などで独自の新機能を実現している。計測しておいてなんだが、今回のベンチマークスコアで一喜一憂することはない。

Pixel 6/6 Proともにプロセッサーは「Google Tensor」と「Titan M2 セキュリティコプロセッサ」を搭載。メモリー(RAM)はPixel 6 Proが12GB、Pixel 6が8GBを搭載している

Pixel 6 Proの「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは745354、「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreは2804、「3DMark」のWild Lifeは6457、「AI Benchmark」のスコアは269.3

Pixel 6の「AnTuTu Benchmark」の総合スコアは737473、「Geekbench 5」のMulti-Core Scoreは2857、「3DMark」のWild Lifeは6820、「AI Benchmark」のスコアは258.6

「AnTuTu Benchmark」実行中、Pixel 6 Pro(左)の最大温度は33.7℃、Pixel 6(右)の最大温度は31.9℃(室温21.5℃で測定)

カメラ画質をiPhone 13 Pro Max、HUAWEI P50 Pro、Mi 11 Ultraと比較
夜景はiPhoneよりキレイに撮れる

 カメラ性能については、Pixel 6/6 Proに、iPhone 13 Pro Max、HUAWEI P50 Pro、Mi 11 Ultraを加えてテスト撮影してみた。カメラアプリの設定はすべてデフォルトで、同じ構図に合わせてシャッターを押すだけというフルオートで撮影を実施している。

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