人類がフィルターを装着する時代
コロナ時代になって、雨さえ降らなければ毎日天井を開けて走っているな、と。もしかして納車後3年経った今になって、オープンカー生活を満喫していませんか、と。
そうなった理由は、常にマスクが顎にかかっている状態だからであります。
前方でほこりを巻き上げながら走る車がいてもマスク。雪虫の大群が漂っていてもマスク。ダンプが黒煙を発していてもマスク。家に帰ってきたら車内の虫やほこりをブロアーでぶっ飛ばす。以前だったらあらかじめ天井を閉めて回避してきた状況も、これで大体、済んでしまうのであります。
以前はキャップにサングラスのマスク男なんてのは危ない人間のステレオタイプでしたが、今はマスクもしない人間はパンツも履かずに出歩く変態のような扱いですから、その変わりっぷりはまあ見事なものであります。
おかげさまで寒くなりはじめた今頃の季節も快適です。寒い朝に乗り込むと途端にフロントスクリーンが曇りましょう。それで顔が冷たくなるのを我慢してエアコンオンでデフロスター、あるいは乾燥した道路の埃っぽさに目をつむって外気導入で走り続けるの二択でした。
これも天井を開けていれば問題ありません。摂氏5℃くらいなら、膝掛けとネックウォーマーがあればシートヒーターだけで何とかなり、マスクのおかげで顔も寒くなければ鼻水も出ない。空調のモードも関係なし。
あ、これもしかしてフィルターなくても良かったんじゃないの。そもそも屋根って何のためにあったのかしら。なんてな具合で、春先から今に至るまで、ずっと取り付け作業をする気にならなかったのであります。
そういえばエムリット社もN95規格の「エムリットマスク」を販売されております。フィルター開発技術を活かした高性能なマスクで、いま私に必要なのは人間装着型のこちらだったかも知れません。
それでも私がひどい花粉症だったり、渋滞した首都高のトンネルや環八を使わなければならない立場だったなら、問答無用でフィルターを装着していたはずです。それにマスクだけでは防ぎ切れないものも地球上には存在します。
先日、ロシアから飛来したと思われるバイオ兵器の一群が走行中のロードスター上空に突如現れ、ボンネットに直径15cmほどのものを2発落として飛び去りました。強酸性ゆえ塗装を侵し、他所から運んできた種子や得体の知れない細菌をも含む、恐ろしい爆弾です。幸いなことに車室内および乗員の汚染はありませんでしたが、細菌については私、分かりません。
フィルターを取り付けるべきか、オープンエアを満喫すべきか。逡巡しているうちに本格的な冬に凍え、そしてまた春を迎えるのでしょう。
それでは、また。
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