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Windows情報局ななふぉ出張所 第244回

ドル箱事業に暗雲:

「携帯値下げ」がキャリア各社を直撃

2021年08月16日 09時00分更新

文● 山口健太

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楽天モバイルはローミング費用増大のジレンマも

 楽天モバイルは4月から「1年無料」が徐々に終わり、通信収入が計上され始めたものの、基地局などへの先行投資が続いており赤字が拡大しました。MVNOから自社回線サービスに移行した人が無料キャンペーン期間に入ることも、売上減につながったようです。

 契約者の獲得に本気を出せないジレンマもあるようです。自社エリアが狭いため、ユーザーが増えるとエリア外のローミング費用も増えるためです。基地局を立ててエリアを広げたいところですが、世界的な半導体不足で遅れが出ています。場所自体は確保しているようなので、半導体の供給状況次第といえそうです。

 また、今回の決算では楽天が開示する「累計契約申込数」と実際の「契約者数」の乖離が注目されました。解約が多いのではないかと気になるところですが、「解約も少しあるが、主に申し込みから契約に至るまでの差分。契約者数も伸びている」(楽天モバイル広報)としています。

累計契約申込数(上)と実際の契約者数(下のグラフ左の部分)の違い(楽天グループの決算説明会資料より)

 モバイルの利用者は楽天の他のサービスをよく使う傾向にあり、予想以上のシナジーがあるようです。グローバル事業では携帯インフラの外販が始まっていることからも、楽天モバイル事業の先行きを占うにはかなり多角的な視点が必要になりそうです。

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