このページの本文へ

佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第81回

パッケージイラストには人気イラストレーター森倉円氏

AcoustuneとTAKU INOUE監修の完全ワイヤレス新ブランド「ANIMA」

2021年06月28日 13時00分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 本連載でも何度か取り上げている、ハイエンドイヤホンブランドのAcoustne(アコースチューン)がワイヤレスオーディオ機器専門のサブブランドを立ち上げた。第1弾製品となるのが完全ワイヤレスイヤホンの「ANIMA ANW01」だ。国内の代理店はアユートで、発売は7月2日、価格は1万6980円となる。

 ANIMAはラテン語で“魂”。アーティストの心をこめた音楽を1音1音逃さず届けたいという思いがあるという。AcoustneにサブブランドであるANIMAを立ち上げた理由を聞いてみた。Acoustuneがアプローチできないユーザーが入門するきっかけとなること、Acoustuneの思想を反映したイヤホンをもっとカジュアルに使ってもらうこと、の2点が主な目的だという。

パッケージ

 このために高価なイヤホンブランドとしてブランディングしているAcoustuneとは別のブランドとして、サブカルチャーを好む若い年齢層にフォーカスした商品を展開するという。ビジュアル面でもサブカルチャーを意識して、キズナアイをデザインした森倉円氏に世界観を表現してもらったという。また、音の面でもアイドルマスターや電音部だけでなく、キズナアイの楽曲も作詞作曲しているTAKU INOUE氏が適任であると考えたとのことだ。

森倉円氏

TAKU INOUE氏

 ANW01はTAKU INOUE氏の監修によるサウンドチューニングを行った。ベーシックな「MIDNIGHT」に加え、「NIGHT」「DAY」の3種類のチューニングパターンを用意しており、iOS/Android向けの専用アプリ「ANIMA Studio」にて設定変更することが可能である。

 MIDNIGHTはゲームやアニソンを考慮しながらもバランス重視、NIGHTはMIDNIGHTを基準に低域の量感を2010年代のサウンド風に調整、DAYではリラックスできるように耳あたりの良いまろやかな音を意識したチューニングにしている。

 また、DSPによるTWS向けの音質調整プロセスを開発。Acoustuneのクオリティを満たしつつ、外部の人間でも調整でき、音に携わる人にとっては、従来手法に比べて容易にチューニングできる方法を確立した。結果、TAKU INOUE氏にも普段の制作環境でしっかりと時間をかけてチューニングしてもらうことができたという。

ANIMA Studioのアプリ

 ANW01は、Advent Voice(操作時音声の着せ替え)機能も搭載する。ANIMA Studioで変更可能で、ボイスファイルはフリーの操作音以外にも、有料ダウンロードコンテンツとしての追加も予定しているという。

 Acoustuneの高音質では、ミリンクス振動板が欠かすことができない存在だ。そこでANIMAでもミリンクス振動板の経験を生かしたコクリア(CoClear)振動板を開発したという。ミリンクスは鼓膜という意味だが、コクリアは、蝸牛(cochlea)とクリアをもじった造語とのことだ。ANW01では直径6mmのユニットが搭載されている。

ドライバーの分解図

 また、音質向上のため、磁気回路に外磁型マグネット機構を採用。体積を大きく取ることで磁束密度を高めた結果、高い能率(音量の取りやすさ)も確保している。そして振動板前面のグリルを星形の「スターグリル」形状にすることで、特定の帯域の音を削って周波数特性を最適化しているという。

 ワイヤレスイヤホンとしての基本的な機能では、Bluetooth5.1対応、aptX対応、外音取り込み機能など搭載している。また、IPX7相当の防水性能も実現している。

 ANIMA ANW01はAcoustuneのサウンドを生かしながらも新しいユーザー、新しいマーケットにアピールしていくような新境地を開くような完全ワイヤレスイヤホンと言えるだろう。

■関連サイト

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン