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最新パーツ性能チェック 第347回

GeForce RTX 3070 Tiをレビュー!フルHD~WQHDで高fpsを狙うゲーマーの新たな選択肢

2021年06月09日 22時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

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検証環境は?

 今回の検証環境は、前回のRTX 3080 Ti FEの検証環境と同じものを使っている。前回のレビューから1週間しか間が空いていないため、前回の検証結果をそのまま継承する形で、改めて新GeForceの性能比較を試みる。

 さらに、今回比較対象としてRTX 3070 FEおよびRTX 2070 SUPER FEも追加した。ドライバー環境はRTX 3070 Ti FEおよびRTX 3080 Ti FEがレビュー用βドライバー、それ以外はGeForce 466.47で計測している。また、RTX 2070 SUPERを除く全てのGPUは、Resizable BARが利用できる環境でテストを実施した。

【検証環境】
CPU AMD「Ryzen 9 5950X」
(16コア/32スレッド、3.4~4.9GHz)、
CPUクーラー Corsair「iCUE H115i RGB PRO XT」
(簡易水冷、280mmラジエーター)
マザーボード GIGABYTE「X570 AORUS MASTER」
(AMD X570、BIOS F33i)
メモリー G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」
(DDR4-3200、16GB×2)×2
ビデオカード NVIDIA「GeForce RTX 3090 Founders Edition」、
NVIDIA「GeForce RTX 3080 Ti Founders Edition」、
NVIDIA「GeForce RTX 3080 Founders Edition」、
NVIDIA「GeForce RTX 3070 Ti Founders Edition」、
NVIDIA「GeForce RTX 3070 Founders Edition」、
NVIDIA「GeForce RTX 2070 SUPER Founders Edition」
ストレージ Corsair「CSSD-F1000GBMP600」
(NVMe M.2 SSD、1TB)
電源ユニット Super Flower「SF-1000F14HT」
(80PLUS Titanium、1000W)
OS Microsoft「Windows 10 Pro 64bit版」
(May 2021 Update)

NVIDIAの主張は確認できた「3DMark」

 まずは「3DMark」のスコアー比べだ。RTX 3070 Ti FEはCUDAコアやメモリー帯域が増えたが、メモリーバス幅は256bit据え置き、かつCUDAコアの少ないモデルほどパフォーマンスゲインが鈍化しやすいので、RTX 3080 FEよりもRTX 3070 FEに近いところに着地することが予想できる。

「3DMark」のスコアー

 まずRTX 3070 Ti FEのスコアーを100%としたとき、RTX 2070 SUPER FEは73%〜67%程度なので、RTX 2070 SUPERの1.5倍の性能を持つというNVIDIAの主張はほぼ達成できている(1÷0.67=1.49)ことが確認できた。

 次にRTX 3080 Ti FEの上下との対決に目を向けると、RTX 3080 FEは3070 Ti FEに対し11〜31%ほど上、RTX 3070 FEは3070 Tiの6〜8%ほど下という結果が得られた。RTX 3080 Tiは上位GPU(RTX 3090)寄りの性能だったが、RTX 3070 TiはRTX 3080寄りというよりは下位寄りの性能に仕上がっている。メモリーバスが256bitという仕様がGDDR6X採用によるメモリー帯域増やCUDAコア数増によるメリットを享受しにくくしていると考えられる。

高解像度領域で上位GPUとの差が
明確になった「Rainbow Six Siege」

 ここから先は実ゲームを利用した検証となる。「Rainbow Six Siege」ではAPIはVulkan、画質は“最高”をベースにレンダースケール100%を追加した。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測する。

「Rainbow Six Siege」Vulkan、1920×1080ドット時のフレームレート

「Rainbow Six Siege」Vulkan、2560×1440ドット時のフレームレート

「Rainbow Six Siege」Vulkan、3840×2160ドット時のフレームレート

 RTX 3080 Tiと3090の差がほとんど付かなかったのに対し、RTX 3070 Ti FEは3070 FEに対し平均フレームレートでおよそ7〜9%上の性能を発揮している。この差は解像度が高くなるほど開く傾向にあり、GDDR6Xを採用したことによるメモリー帯域の増加が一定の効果を挙げていることがうかがえる。

 ただし、上位であるRTX 3080 FEとの差は小さくはなく、フルHDでRTX 3080 FEの方がおよそ13%、4Kではおよそ22%上という結果が得られた。CUDAコア数自体の差も大きいが、メモリーバス320bit対256bitという根本的な仕様の差がこの結果を生んでいると考えられる。ただ描画の軽いゲームであるため、RTX 3070 Ti FEでも並のゲーミング向けディスプレーでは活用できないほどのフレームレートは出ている点は強調しておきたい。

4Kでもなんとかイケそうな「Apex Legends」

 続いて「Apex Legends」では、画質を最高画質設定とし、起動オプションで明示的にフレームレート上限解除「+fps_max unlimited」を追加した。「CapFrameX」を利用し、射撃練習場における一連の行動をとった時のフレームレートを計測した。

「Apex Legends」1920×1080ドット時のフレームレート

「Apex Legends」2560×1440ドット時のフレームレート

「Apex Legends」3840×2160ドット時のフレームレート

 現状、どう頑張っても300fpsは出せない仕様になっているため、RTX 3080 FEより上のGPUはほぼ団子状態だが、3070 Tiより下ではGPUのスペックの差が数値に出やすい。RTX 3070 Ti FEの平均フレームレートは3070 FEよりも3〜10%ほど上、RTX 3080 FEの5〜22%ほど下となり、特にメモリー帯域がボトルネックになりやすい4Kで、RTX 3070 Ti FEが息切れしやすいことが示されている。

 とはいえ、4Kでもなんとか60fpsキープを達成できているので、画質をやや落とせば十分プレイに耐えるフレームレートが得られそうだ。ただ、ハイフレームレートプレイの確実性をとるなら、RTX 3070 TiはフルHD〜WQHDで運用した方がよいだろう。

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