「DIRT 5」でDXR対応ゲームでの性能をチェック
ここまででRTX 3080 TiのRTX 3080 FEに対する優位性はなんとなくは分かったが、どれも明確な差は感じづらい結果が続いた。ここから先はDXR(DirectX Raytracing)対応ゲームにおけるパフォーマンスを見てみよう。
最初に試すのは「DIRT 5」だ。画質は“Ultra High”とし、解像度の動的変更系機能はオフ、FidelityFXを使ったアンビエント・オクルージョン(Ultra High設定に含まれる)とDXRを利用した影の表現も利用している。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測した。
ここでも、RTX 3080 Ti FEはRTX 3080 FEに対して数%程度のアドバンテージがある。ただ、このDIRT 5では解像度が低い方がRTX 3080 Ti FEと3080 FEにおける平均フレームレートの差が大きい印象だ。また、これまでの検証で“真のフラッグシップ”の威厳を出せなかったRTX 3090は、ここへ来てRTX 3080 Ti FEに対し最大8%程度の差をつけている。
重量級の「Watch Dogs: Legion」
「Watch Dogs: Legion」でも試してみよう。APIはDirectX 12、画質は“最大”、レイトレーシングも“最大”に設定し、さらに精細度は100%、DLSSは“高性能(他のゲームにおけるパフォーマンス設定)”とした。ゲーム内ベンチマーク機能を利用してフレームレートを計測する。
RTX 3090 FEがトップを取っているが、2番手のRTX 3080 Ti FEとの差はせいぜい2〜3fpsと薄氷の如く薄いアドバンテージにすぎず、GPUのOC設定やクーラーの出来などでいかようにでもひっくり返すことのできる差に留まる。
RTX 3080 FEと3080 Ti FEとの差はどの解像度でもしっかりと確認でき、メモリーバス幅の広いGA102コアの強さが感じられる。DLSS“パフォーマンス”設定が入っているせいもあるが、RTX 3080 Ti FEなら4K最高画質+レイトレーシング最大でもなんとか平均60fpsに到達できている。
「Cyberpunk 2077」でも高解像度ほど差がつく
最近のアップデートでRadeonにもDXRが解放された「Cyberpunk 2077」も試してみよう。画質は“レイトレーシング:ウルトラ”をベースに、レイトレーシングのライティング“サイコ”+DLSS“パフォーマンス”に設定。さらに群衆密度も最高設定とした。マップの特定のルートを移動した際のフレームレートを「CapFrameX」を使用して測定する。
毎回微妙に群衆や車両の出方が異なるため誤差が大きめのテストである、と前置きしておくが、それでも一応これまでの検証結果の傾向にほぼ合致する結果がみられた。
ここでもRTX 3090 FE≒RTX 3080 Ti FEであり、平均フレームレートで見た場合に両者の差は4%以内、かつ解像度が高くなるほどRTX 3090 FEが優位に立っている。そしてRTX 3080 FEと比較した場合も、フルHDでは差が小さく(フルHDでDLSSを使っているのだから当然)、解像度が上がるほどに差は広がる。4K解像度での平均フレームレートはRTX 3080 Ti FEの方が3080 FEに対し約8%上回った。
「Marbles RTX」ではRTX 3090に圧倒される
最後に、NVIDIAが最近リリースした“最も贅沢なビー玉転がし”こと「Marbles RTX」でも試してみた。画質設定関連は弄らず内部解像度はフルHDのまま、ただしRTX 3080 FEのみ設定ファイルを書き換えて、VRAMの最低使用量を10GBに制限している(他のGPUはデフォルトの11GB設定)。「CapFrameX」でフレームレートを計測しているが、プレイの性質上同じ動きをするのは難しいため、参考値として見ていただきたい。
Marbles RTXはVRAMへの負荷が非常に高いせいか、RTX 3080ではなんとか起動するものの極めて重く、ビー玉を思った方向に転がすことすらおぼつかない。この点ではVRAMが24GBもあるRTX 3090 FEはダントツの強さを持っている。
RTX 3080 Ti FEは設定ファイルの変更なしに動作するが、RTX 3090 FEよりも見て分かる程度に操作に対するレスポンスが鈍い。
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