クルマがネットワークに繋がる時代
できることが無限大に増えて行きそう
自動車とスマートフォンが連携し、新たな価値を提供する時代になりました。それはスポーツカーの分野にも波及しています。今回はポルシェが提供するアプリ「Porsche Connect」と、ポルシェ初の電気自動車「タイカン」の充電アプリ「Porsche Charging Service」をご紹介します。
「Porsche Connect」は、スマートフォンを用いて遠隔地から車両をコントロールするインフォテインメントとナビゲーション機能を統合したアプリ。Android版とiOS版の2種類が用意され、新車登録時から36ヵ月(3年間)は無料で利用可能。以降は年額約3万円(モデルにより異なる)で継続利用が可能というサービスです。
2016年発売の911からサービスを開始し、現在販売するすべてのポルシェに対応しています。ここで気を付けなければならないのは、中古車で購入した場合。というのも、「Porsche Connect」は登録日から36ヵ月無料で利用可能なサービスであって、前ユーザーが車両登録していたら、その分の日数は引かれてしまうから。なお、登録しなかった車両であれば、購入日から36ヵ月無料で利用することはできます。
エアコン操作からバッテリーの管理まで
さまざまな操作がスマホでできる!
ではインフォテイメント系の機能を説明しましょう。主にできることは、エアコンの操作、施錠状態の確認、ハザードのフラッシュ、そしてクラクションを鳴らすといったもの。これに加えてパナメーラのE-ハイブリッドモデルや、同社初の純EVスポーツカーであるタイカンでは、バッテリー管理(充電タイマー)が利用できます。
エアコン操作は遠隔地からのオンオフのみならず、タイマーの利用も可能。たとえば毎日の出勤・退勤時にセットすれば、快適な室内環境で運転開始できるというわけ。こうした機能はあるとないとでは結構違います。
施錠の状態が確認できるのも有益な機能。しかもドアごとにアンロック(半ドア)なのか判別できるだけでなく、パーキングブレーキの状態も確認できます。案外こういった部分は忘れがちですからね。
面白いのはクラクションを鳴らすことができること。ホーンボタンをタップすると、結構大きな音でクラクションが鳴ります。これを利用すれば、広い駐車場で自車がわからなくなった時、音で方向がわかるというもの。日本でも郊外型アウトレットモールや遊園地など広大な敷地内で有益な機能ではないでしょうか。音は迷惑かも……という場合は、ウインカーだけを点灯させることも可能です。
もちろん車両のほかの情報もスマホで確認できます。空気圧のチェックなど普段はディーラーやガソリンスタンドなどに任せっきりだったりしますので、長距離ドライブ前にチェックできるのは安心ですね。
ナビゲーション系の機能としては、目的地をスマホで検索し、自身のカレンダーに連携させ乗車時に車両のナビゲーションシステムに転送するというもの。乗車後に車両を起動させてからナビをセットするという時間が大幅に短縮できるばかりか、車両から離れた場所でドライブプランニングが立てられるから便利。またGoogleのエンジンを使っていることもあり、たとえば「和食」と入力すると近くの和食料理店を検索することも可能。旅行先など見知らぬ土地で有効ではないでしょうか。
さらにタイカン用として、充電管理もスマホから確認できます。さらに充電中は終了予定時刻も表示可能。近年、急速充電スタンドの少なさから、充電後もその場に車両を停車したままにするのはマナー違反といわれがち。それゆえ充電が終わるまで車内で過ごす人もいらっしゃるのだとか。ですが、スマホで充電状態がわかれば車両から離れても安心です。
さらに充電タイマーを利用すれば、より効率的な充電管理ができるようになります。秀逸なのは、車両側の充電タイマーと連動しているばかりか、GPSによりその位置に到着するとプロファイルが起動するところ。管理の煩雑さがないのはよいですね。