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Veeam Japanブログ

 

Veeam V11のライセンス、変更点は「良いニュースばかり」

2021年04月22日 13時00分更新

文● Chris Spencer/ヴィーム・ソフトウェア ●編集 ASCII

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本記事はヴィーム・ソフトウェアが提供する「Veeamブログ」に掲載された「Veeam V11のライセンスについて」を再編集したものです。

 Veeam Backup & Replication v11では多数の機能や機能強化が実装されたほか、保護対象もさらに拡張され、より多くの重要ワークロードを保護できるようになりました。このような数々の利点は、ユーザーの皆様に非常に喜ばれています。強力なランサムウェア対策機能やセキュリティの強化、継続的データ保護(CDP)、クラウドポータビリティの拡張、AWSやMicrosoft Azureのクラウドネイティブなバックアップオプションなど、V11には数多くのメリットがあります。メリットはどれも非常に素晴らしく、弊社の開発チームが、皆様からのご意見に耳を傾け、シンプルで柔軟性と信頼性に優れた継続的なイノベーションをもって、その声に応えているという証となっています。

 このブログを読んでいる方の中には、ライセンス関連ではどのような変更があるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。2019年、Veeamは抜本的な改革をいくつか行い、ポータブルなVeeamユニバーサルライセンス(VUL)を導入いたしました。それから2年近くかけて、Veeam Backup & ReplicationとVeeam ONEの最新機能の全てを、あらゆるワークロードやあらゆる環境で使用できる推奨ライセンスとしてVULを確立させてきました。この転換期の間もVeeamを支援していただき、誠にありがとうございました。

 嬉しいことに、VULの評判は非常に良く、ガートナーからも、2020年版バックアップのマジック・クアドラントにおいて高い評価をいただきました。また、これも発表できることを嬉しく思うのですが、V11の大きなニュースとして、たしか、ええっと……何もありません。大きな変更はありません。ライセンスポリシーの変更もなければ、ライセンスファイルの変更もありません。ニュース自体はいくつかあります。でもどれも良いニュースばかりですので、さっそく始めましょう。

ライセンスに関する基本情報

 V11の良いニュースは、ほとんどの場合、新しいライセンスファイルを必要としないということです。これまでのメジャーリリースでは新しいライセンスファイルが必ず必要でしたが、V10で新たなライセンスファイルのフォーマットが導入されたことで、ライセンスファイルを新たに取得する必要がなくなりました。そのため、V11のインストールやアップグレードは既存のライセンスファイルで行うことができます。また、以前のバージョンからV11にアップグレードする場合は、セットアッププログラムがライセンスファイルを自動でダウンロードしてくれます。

VULの機能がさらに強化

 VULでは引き続き、Veeam Backup & ReplicationとVeeam Availability Suiteの全ての機能をご利用いただけます。また、ポータブルなライセンスオプションで、オンプレミスやパブリッククラウド、ハイブリッド環境やマルチクラウド環境をまたいだ使用が可能で、以下に示すワークロードを全て保護することができます。

  •  
  • サポート対象の全ハイパーバイザー — VMware vSphere、Microsoft Hyper-V、Nutanix AHV
  •  
  • サポート対象の全OS — Microsoft Windows、Linux、Mac、Oracle Solaris、IBM AIX
  •  
  • クラウドネイティブのワークロード — AWS、Microsoft Azure
  •  
  • エンタープライズアプリケーション — SAP HANA、Oracle(AIX向けも含む)
  •  
  • NASファイル共有、非構造化データ保護

 この他にもV11には、VUL、またはソケットベースのライセンスのEnterprise Plus Editionのいずれかを必要とする機能として、次のような新機能が実装されています。

  •  
  • VMware vSphere VMの継続的データ保護
  •  
  • Amazon S3 GlacierおよびAzure Blob Storageアーカイブ層へのアーカイブ

クラウドネイティブなAWSとAzureの保護

 クラウドは、Veeamがもう何年も重点的に力を入れている分野です。低コストで容量に制限のないクラウド・オブジェクト・ストレージにバックアップを移行することをお考えの場合も、極めて長期にわたるバックアップをコールド・ストレージ・オプションにアーカイブすることを検討中の場合も、クラウド計画にDRを確立することを思案している場合も、Veeamならお力になれます。VULライセンスに新たに追加された最新機能には、AWSに格納されているクラウドネイティブなワークロードのバックアップと復元を管理できる機能もあります。

 これを可能にするのが、Veeam Backup for AWS v3で、さらに、Veeam Backup for Microsoft Azure v2で、Microsoft Azure上のワークロードにも同様の操作が可能になりました。これらの統合によって、AWS EC2インスタンスやRDSなどの保護が可能になります。これらは7月からV10に追加された機能で、最新の機能にはMicrosoft Azure v2の統合も含まれています。つまり、VULで、AWSやAzureのクラウドネイティブなワークロードも保護できるようになったということです。クラウドネイティブなワークロードの保護にご興味をお持ちの場合は、是非お試しください。

NASが倍で安心も倍に

 もう1つ、多くのNASユーザーにとって嬉しいお知らせがあります。Veeamでは、2020年にNASのバックアップに対して設定した通常の割引率について見直しを行い、その結果、VULベースのNASのバックアップライセンスに変更を加えることにいたしました。これによって、コストの大幅な節約が可能になります。V11にアップグレードすると、各VULライセンスによって、500GBのNAS非構造化データの保護をすぐに開始できます。これまでの保護対象は250GBでしたので、同じ数のライセンスで2倍のデータを保護することができます。これまでで最も手頃な料金でNASをバックアップできるというわけです。

 ところで、Veeam Backup & Replication 10aでは、各シェアにおける最初の250GBは無料で保護できるという変更を加えました。これについてはどうなるのでしょうか?この仕様はV11でも継続されますが、この容量も500GBにまで増量されました。つまり、最も重要なファイルを、イメージレベルのバックアップで既に保護されているサーバーから、追加料金なしで別のフォーマットにバックアップすることが可能です。

Veeam CDPを追加料金なしで

 最も待ち望まれている機能の1つとして、CDPについては以前から耳にしているのではないでしょうか。災害復旧戦略用に、他のCDPソリューションを見てみたこともおそらくあるでしょう。他のCDPソリューションは驚くほど高額で、バックアップとCDPのどちらか1つだけを選択しなければならない状況に陥るケースがほとんどです。値段が非常に高いので、両方を選択することは現実的ではありません。嬉しいことに、VeeamではCDPが含まれており、追加料金なしで利用することができます。他に購入するものはありません。ライセンスを追加で買う必要もありません。バックアップとCDPのどちらかを選択する必要もありません。Veeamなら、既に40万以上のお客様にご利用いただいている製品で、バックアップとCDPのどちらも実行することができます。VeeamのCDPは、仮想プロキシにも物理プロキシにも対応できるオプション付きで、信頼性の高い非同期レプリケーションが可能。物理的な距離の制限もなく、Tier 1のワークロードのDR戦略に優れた力を発揮します。

DRオーケストレーション

 DRのトピックではありますが、Veeam Backup & ReplicationのCDP機能は、Veeam ONEの監視機能や、Veeam Disaster Recovery Orchestratorのサイト復元の自動化機能と戦略のテスト機能にも拡張されました。Veeam DR Orchestratorとは何かと思われるでしょうか。CDPがDRのためにもたらすメリットを反映するために、高い信頼を得ているVeeam Availability Orchestratorについてこのほどリブランドを行い、このv4のリリースより製品名を「Veeam Disaster Recovery Orchestrator」に変更いたしました。今回は名前の変更だけで、機能についてはこれまでと全く変わりません。v4では、CDPレプリカのオーケストレーション機能も提供。これで、保護、監視、そしてオーケストレーションという、一連の包括的なDR機能の完成です。DR Orchestrator v4のライセンスは、DRパックでご利用になれます。DRパックは、10個単位のパックで販売されており、ご利用環境のVULライセンスと同じ数を使用します。

VULはサブスクリプションだけではない

 最後に、2020年7月に追加されたある変更点について、もう一度お伝えしたいと思います。これについては、知られていないかもしれませんが、大部分のお客様にとって非常に重要な内容となっています。2019年、柔軟性の高いポータブルなVULライセンスを最初に導入したとき、サブスクリプションという形態しかとっていませんでしたが、その後お客様のご意見を確認したところ、一部のお客様は、予算に関する様々な理由から、永久ライセンスしか利用できないことが分かりました。そこで、改めてお伝えしたいのですが、VULは、サブスクリプションとしても永久ライセンスとしてもご利用いただけます。ご利用環境に最適な方をお選びください。VULの永久ライセンスでは、機能やポータビリティに違いはありません。永続的なCapExモデルの競争力のある価格で、多くのお客様にとって馴染みのある、年単位の継続的な保守およびサポート構造となっています。

まとめ

 実に様々な機能が搭載されたV11。ハイブリッド環境やマルチクラウド環境のワークロード全体を、ランサムウェアや障害から、信頼性の高い方法で保護することができます。また、VULは、今だけでなく未来のデジタル変革にも対応できる優れたライセンス体系となっています。クラウドや仮想、物理に対応する、最新かつ最高のデータ保護機能を利用するには、V11にアップグレードしてください。

 V11にAzureネイティブのバックアップと復元機能(AWSネイティブの同機能はV10で搭載)が含まれていることは上でも述べましたが、現在、Veeam Backup & Replication、Veeam Availability Suite、Veeam Backup Essentialsのいずれかの製品をご利用いただいているお客様を対象に、AWSまたはAzureのワークロードをネイティブで保護できるVULを25個無償でお使いいただけるキャンペーンを実施しています。さらなる特典として、お好きなクラウドクレジット250ドル分もプレゼントしています。詳細についてはリンク先をご確認ください。キャンペーンに登録して、AWSやAzureワークロードのネイティブな保護を無償で始めましょう。

 VULライセンスをまだご利用でない方に、嬉しいお知らせです。自由に使える無償のVULライセンスが既にいくつか支給されているので、お気軽にお試しいただけます。V11の機能を最大限に活用する方法についてご不明な点がございましたら、更新担当までお問い合わせください。

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