■ピット作業そのもののスピードに痺れる
TW700Dは確かに重いが、タイヤ交換であれば地面からホイールナットの高さまで持ち上げるだけ。他と比べたわけではないが、パワーがあるので作業時間も短い。下の図は127Nmで締まったホイールナットを全速で緩めた際の音をソノグラムにしたもの。
ダラララっという打撃数は7回で、時間にして0.2秒。その後ヒュイーンとナットが抜けて作業が終わるまでが0.8秒。以前、この作業には不向きと知りつつハイコーキのインパクトドライバーWR36DCを同じ条件で試したところ、打撃数は30回、時間は0.4秒という結果だった。時間は倍しか違わないが、TW700Dは打撃数が少ないのでジタバタ感がなく、体感的なスピードは一瞬だ。まさに免許取り立ての時代に憧れたピット作業そのもの。ダラヒュィーン!
代わりに打撃の反動はそれなりに大きい。作業時間が短いので痺れを感じるわけでもないが、回転するハンマーの衝撃がそのまま伝わってくる。その反動を吸収するためか、グリップの付け根は土台と固定されておらず、ブラブラ動くようになっている。最初は壊れているのかと思った。
■あって良かったオートストップ機能
トルクが大きいほど緩めるスピードも速い。が、締める場合はそれが仇となってオーバートルクを招く。だからKTCにはトルクリミット機能が付いているのだが、最近のマキタにもそれに近い「正逆転オートストップ」機能が付いている。
インパクトレンチは無負荷ならブィーンと回るだけだが、負荷がかかると「ダララララッ」と打撃を始めて追い打ちをかける。その追い打ち時間を「すぐ停止」「約0.5秒で停止」「約1.0秒で停止」の3段階で設定する。KTCのような実トルクではないので、どんな締め加減かは試さないと分からない。
取説によれば「普通車のタイヤ」は「打撃開始後すぐに停止」する1段目がいいらしい。確かにこのモードで締めると、本当に1打目で即停止する。これを127Nmに設定したトルクレンチで増し締めすると、だいたい20〜30度くらいは回ったから、オーバートルクにはなっていない。感覚としてはクロスレンチで回ししてカツンと止まった程度のナットを増し締めするような加減だから、かなり緩めに止まっているはず。
だが安心は禁物だ。
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