■36V移行の鍵を握るキラーツールは?
コロンブスの卵のようなハイコーキのマルチボルトも面白いが、こうして見るとマキタの対策も抜かりはない。小型工具向けに40Vmaxシリーズを新設。あとはバッテリーの連装で18V資産を生かしながら、工具側のハイパワー化を進めておこう。そんな陣形だ。
その36V時代におけるDIYユーザーの選択肢は3つ。マキタの「18V」と「40Vmax」、そしてハイコーキの「マルチボルト」だ。
このうち盤石な18Vに対して、40Vmaxは発売からまだ2年。工具のスペックは高いが、今のところアイテム数は限られ、これからどの程度普及するのかは分からない。それに今から36Vにシフトするなら、ハイコーキのマルチボルトの方が選べる工具の幅は広い。
私はマキタの18Vユーザーだが、36Vについては40Vmaxではなくマルチボルトを選んだ。マキタの18Vシリーズに不満はないし、マルチボルトが加わることで、マキタにはないタイプの高圧洗浄機、Bluetooth対応インパクトや、36Vのハイパワーなハンディクリーナーが使える。工具の選択肢を広げられるのがいい。
では最初に買う工具として、ハイコーキのマルチボルトはどうなのかと言えば、マキタの18Vシリーズにはあるポリッシャーと空気入れがない。そうしたラインナップの差を見極めて問題なければ、マルチボルトでいいのではないか。
結局、ラインナップに魅力的な工具があるかどうか。それがバッテリーシステム選択の決め手だが、いまの私は先月発表された40Vmaxのハンディクリーナー「CL001G」が気になって仕方ない。125Wのパワーは155Wのハイコーキ「R36DA」に劣るが、静粛性で差別化したのは賢明だ。もっといいのはカラバリにオリーブがあること。これ、カッコいいではないか。
Bildy.jpより
1970年代にニッカドバッテリーの充電工具が登場して以降、マキタのバッテリーも1997年にニッケル水素、2005年にリチウムイオンと進化してきた。近い将来、エネルギー密度とコストでリチウムイオンより有利な電池が現れたら、そこでまたゲームチェンジが起きるかもしれない。
なのにバッテリーシステムを3つも揃えてどうするんだとも思うが、うっかり買ってしまったら、ここでまたご報告したい。
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