ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 第605回
Radeon RX 6700 XTのダイは6800 XTの6割程度の大きさ AMD GPUロードマップ
2021年03月08日 12時00分更新
Radeon RX 6700無印の登場は十分ありうる
Radeon RX 6600がデスクトップ向けに出るかは微妙
最後に今後の話について。AMDにこの話を振っても「将来製品についてはなにも言えない」とつれない返事なので勝手に予測する。
今回の製品がRadeon RX 6700 "XT"であるのは象徴的で、当然XTなしのモデルも今後は登場することになると思われる。こちらはターゲットが1080pゲーミング(で、がんばれば1440pでも使えなくもない)、というあたりだろう。CU数を32程度まで減らし、動作周波数も下げ、その分メモリーの速度も落とす(例えばGDDR6 12Gbps品など)といった構成でも、そこそこの性能は確保できるだろう。
容量を6GBにするかどうか、は微妙なところだ。というのはターゲットはGeForce RTX 3060になると思われるが、こちらも12GBのGDDR6を搭載しているからで、メモリー搭載量は据え置きながらCU数と動作周波数を落とすことでBoard Powerで200W切りを目指す、というあたりであろう。
その下、Radeon RX 6600グレードがデスクトップ向けに出るかどうかは微妙なところである。噂ではNavi 23/24といったダイがあり、これをモバイル向けに投入するといった話が出ているが、デスクトップ向けには非力に過ぎる気がしなくもない。そもそもNavi 23/24が異なるダイなのかどうかも謎である。
仮にNavi 23が24CUだとすると、ダイサイズはおおむねNavi 22の6~7割程度(=190~220mm2)になるが、性能はRadeon RX 5500 XTからそれほど大きく伸びるとも思えない。だったらRadeon RX 5500 XTで良いいのでは? という気もするからだ。
薄型ゲーミングノート向けにこのクラスのGPUが必要なのは間違いないので、ひょっとするとそれをデスクトップに転用する可能性もある。

この連載の記事
-
第852回
PC
Google最新TPU「Ironwood」は前世代比4.7倍の性能向上かつ160Wの低消費電力で圧倒的省エネを実現 -
第851回
PC
Instinct MI400/MI500登場でAI/HPC向けGPUはどう変わる? CoWoS-L採用の詳細も判明 AMD GPUロードマップ -
第850回
デジタル
Zen 6+Zen 6c、そしてZen 7へ! EPYCは256コアへ向かう AMD CPUロードマップ -
第849回
PC
d-MatrixのAIプロセッサーCorsairはNVIDIA GB200に匹敵する性能を600Wの消費電力で実現 -
第848回
PC
消えたTofinoの残響 Intel IPU E2200がつなぐイーサネットの未来 -
第847回
PC
国産プロセッサーのPEZY-SC4sが消費電力わずか212Wで高効率99.2%を記録! 次世代省電力チップの決定版に王手 -
第846回
PC
Eコア288基の次世代Xeon「Clearwater Forest」に見る効率設計の極意 インテル CPUロードマップ -
第845回
PC
最大256MB共有キャッシュ対応で大規模処理も快適! Cuzcoが実現する高性能・拡張自在なRISC-Vプロセッサーの秘密 -
第844回
PC
耐量子暗号対応でセキュリティ強化! IBMのPower11が叶えた高信頼性と高速AI推論 -
第843回
PC
NVIDIAとインテルの協業発表によりGB10のCPUをx86に置き換えた新世代AIチップが登場する? -
第842回
PC
双方向8Tbps伝送の次世代光インターコネクト! AyarLabsのTeraPHYがもたらす革新的光通信の詳細 - この連載の一覧へ


