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佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第56回

ロスレス配信を表明したSpotify、ではApple Musicの高音質化はあるのか?

2021年03月01日 13時00分更新

文● 佐々木喜洋 編集●ASCII

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 それではSpotify HiFiを利用するための要件はなんだろうか?

 CD品質とのことなので、一般にはロスレスの44kHz/16bitを指すと考えられる。コーデックについては、CD品質であること、ユーザー数が多いこと、「Qobuz」や「Amazon Music HD」といった大手がすでに採用していることから、FLACで配信し、MQAなどの方式は使用しないのではないかと考えられる。であれば、現在使用している再生機器やアプリの大半は、Spotify HiFiに対応できるだろう。

 どのくらいの回線速度が必要になるかは発表されていないので、推測に頼るしかない。Qobuzの例から推測すると、おそらく1:2程度の可逆圧縮がかけられるのではないかと思う。CD音源のビットレートは、約1400kbpsなので、1:2に圧縮した場合は700kbps程度になる。これならば、現在最大の320kbpsの倍程度で済むことになる。曲による圧縮のばらつきや回線状況を加味しても、現在Premiumで再生できているユーザーならば問題ないのではなかろうか。

 むろん、各社の高音質ストリーミング配信はSpotifyに先んじているものが多い。

 国内では「Deezer HiFi」「mora qualitas」「Amazon Music HD」が、ロスレス以上の高音質配信を実現している。各サービスの最高音質は、Deezer HiFiではCD並み、mora qualitasは96kHz/24bitのハイレゾ対応、そしてAmazon Music HDならば最大192kHz/24bitのハイレゾ対応である。海外に目を向けると「TIDAL」や「Qobuz」がハイレゾストリーミング配信を実現している。

 このように現在ではハイレゾ配信のストリーミングサービスは珍しくない。とはいえ、Spotifyは特に海外で圧倒的なシェアを持っており、市場に与えるインパクトは大きいだろう。また国内においても、ストリーミングサービス利用者の上位は、Spotify、Amazon Music、Apple Musicである。

 こうした高音質配信の波に取り残されているように見えるのが、Apple Musicだ。米国でもAmazon Musicと同程度のユーザー数を抱えている、大きなストリーミングサービスだ。かつてiTunes Music Storeで音楽業界の流れを変えたメーカーにしては、寂しい現状のように思える。海外のニュースサイトを見ていても、Spotify HiFiのニュースと関連してApple Musicでも高音質配信を望む声が散見された。

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