インターネット金融大手SBIホールディングスの子会社「SBIソーシャルレンディング」(以下、SBISL)の融資先をめぐり、第三者委員会が設置される事態になっている。
SBISLは、「貸付先の事業運営に重大な懸案事項が生じている可能性が認められた」として、投資家への元本の償還を検討しているという。
これまでにSBISLは具体的な貸付先の社名などを公表しておらず、4月中に第三者委員会の調査結果を公表するとしている。
SBISLのウェブサイトによれば、2021年1月末の時点で、登録済みの投資家が6万1629人、434億円の融資残高があるとされる。
2021年2月11日付の読売新聞は「問題となっているのは、太陽光発電関連事業への融資で、資金が事業以外に使われていた恐れがあるという」と報じている。
「重大な懸案事項」が浮上したソーシャルレンディングをめぐっては、以前からリスクの高さも指摘されてきた。
一言で説明するなら、ソーシャルレンディングは、高い利回りと高いリスクがセットになった金融商品だ。
●寄付するクラファンとは大きく異る
このニュースを理解するうえで、まず、ソーシャルレンディングの仕組みをおさらいしておきたい。
ソーシャルレンディングは、クラウドファンディングとの比較で説明される事が多い。SBISLのウェブサイトにも「貸付型クラウドファンディング」との記述がある。
クラウドファンディングは多くの場合、基本的には寄付だ。
たとえばアフリカの貧しい国で小学校の校舎を建設するため、クラウドファンディングでお金を集める。
寄付した人は、事業の報告会に出席したり、アフリカの民芸品を受け取ったりといったリターンが得られるが、寄付した金は戻ってこないのが原則だ。「寄付型」のクラウドファンディングとも呼ばれる資金集めの手法だ。
企業が新商品の開発資金を集めて、寄付者に対しては、一般販売の前に商品を渡すといった活用もされている。こうしたクラウドファンディングは「購入型」と分類されることもある。
一方で、広くお金を集める点は共通するが、ソーシャルレンディングは借金だ。
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