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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第86回

ヤリスの走りやすさとSUVの使い勝手を両立させたトヨタ「ヤリスクロス」

2021年02月21日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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燃費が良くて、走りは意外と硬派!?

走行するヤリスクロス

 イグニッションボタンを押してエンジンをスタート。イマドキのコンパクトカーは静かなモデルが多いのですが、コールドスタート時は、エンジンの動作音が想像していたよりも室内に響くことに驚きます。ですが、エンジンが温まれば静かになるばかりか、停止時はアイドリングストップを搭載していないにも関わらず、まるで動作していないかのような静けさに。これはヤリスでも感じていたのですが、この3気筒エンジンのアイドリング時における静粛性は驚くものがあります。

街乗りでリッター24.2km/Lを記録!

 このパワーユニットの驚きは、アイドリングだけにとどまりません。パワフルでありながら燃費がよいのです。試乗のほとんどは一般道だったのですが、メーター読みでリッター24kmを記録! ヤリスと比べると若干落ちますが、軽自動車をゆうに上回る低燃費です。走行モードは、ノーマルとPWR、ECOの3種類。どうやらシフトタイミングとアクセルペダルの開度などが変わるようで、PWRにすれば心持ち軽やかさが増す傾向に。システム出力116馬力は、高いシャーシ剛性に対してアンダーパワーに感じますが、普段乗りではこの位が扱いやすいように感じます。

 乗り味は意外と硬派で、少し空気圧を下げたいと感じるほど。不快ではありませんが、細かな振動が体に伝わってきます。ですが高速道路のつなぎ目などの大きな振動はしっかりと吸収しますし、何よりシャシー剛性の高く、1クラス上の「ミニハリアー」と言いたくなるほどのシッカリ感。

 このシッカリしたシャシーのおかげで、ハンドリングはSUVにしては面白いほう。ヤリスのようなすばしっこさは無理な話としても、思ったよりもシャープにインに切れ込みます。最近のトヨタ車は、ホントに走りが楽しめるようになりました。

運転席に座る筆者(身長185㎝)

 SUVらしくヤリスより視界は良好。ヤリス比でアイポイント60mm高は伊達ではありません。さらにAピラーが立っていることも起因してか、視界はより開けているように感じます。その一方、走行音はヤリスと比べると大きめの印象を受けました。もう少し静かなクルマを、という場合は上位グレードをお選びください、なのでしょう。なにせSUVだけで9車種もラインアップしているのですから。

【まとめ】ヤリスクロスに死角はないかも

走行するヤリスクロス

 使い勝手のよさに加えて、走りもイイ。それでいながら試乗車の車両本体価格が約260万円(税込)。オプションを入れた価格が約320万円ですから、お買い得感は高く、街でよく見かけるのも納得です。試乗の感想を一言で表すなら、「ヤリスクロスに死角ナシ」。乗ればのるほど、トヨタの恐ろしさを感じたヤリスクロスでした。

ヤリスクロスのエンブレム

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