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石川温のPCスマホニュース解説 第102回

楽天「1GBまで無料」エコシステム全体で稼ぐ青写真

2021年02月10日 12時00分更新

文● 石川温 編集● ASCII

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●次の課題は品質確保

 NTTドコモのahamoは2980円という料金設定をしてきたときには「楽天モバイルつぶし」なんて言われていた。NTTドコモ自身も、もちろん楽天モバイルの料金設定を意識した上での値付けだろう。

 NTTドコモやソフトバンクが2980円、KDDIが2480円という値付けをしてきたことに対して、楽天モバイル側ではどんな感想を抱いたのか。

 「正直申し上げて、2980円を出してきたというのは、楽天モバイルを意識してくれているのだな、とポジティブに捉えた。我々は通信業界を変えたいというモチベーションで参入しており、我々が新しい動きをすれば、それに応じて業界が動くというのは見越していた。私たちは私たちがやるべきことを、もう一歩進めていかなくてはいけない」(河野氏)

 4社が3000円を切る料金プランとなり、とりあえず値下げ競争は一段落しそうな雰囲気だ。

 そんな中、楽天モバイルが、次に「もう一歩進めること」とは何なのか。

 河野氏は「料金プランだけでなく、次はしっかりとクオリティレベルを上げることが求められる。ネットワークだったり、サイトの使い方や問い合わせ対応など、まだまだやるべきことはある。ひとつひとつていねいに進めていきたい」と語る。

 確かにどんなに安価な料金プランでも、品質に満足できなければ、すぐに離れてしまうことだろう。楽天モバイルとしては、ネットワーク品質やサポート体制など、いかに3キャリアと互角に戦えるだけの品質に上げていくかが、これからの課題ととらえているようだ。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)など、著書多数。

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