ブラウザーゲームにおいて、さまざまなものを“擬人化”したキャラクターを採用する場合は多い。戦艦や刀、城郭などなど、過去に擬人化された対象はさまざま。基となったものの歴史や性質を取り入れてキャラクターがデザインされているので、そのキャラクターの背景などをそうした知識に紐づけて理解したり、共感したりできるのが擬人化キャラクターの面白いところだ。
2月9日にFANZA GAMESからリリースされた新作ブラウザーRPG「ミナシゴノシゴトR」も、そうした擬人化キャラクターが登場するタイトルなのだが、本作はそんな中でも異色のタイトルだ。というのも動物や植物、建造物といった分かりやすい“物”ではなく、「戦争」という“事象”を擬人化したキャラクターが登場するタイトルだからだ。
「ミッドウェー海戦」や「赤壁の戦い」など、日本人もよく知る歴史上の戦争の名前を冠する美少女たちというのは、他のゲームを見てもなかなか珍しい。
ただ、登場するのは戦争の擬人化キャラクターだけではない。歴史上の英雄や伝説・物語上の存在などをモチーフにした美少女キャラたちも登場する。かの有名な“ジャンヌ・ダルク”から、「不思議の国のアリス」、「日本神話」、さらには第二次世界大戦で活躍した“零式戦闘機”まで、キャラクターのモチーフはかなりごちゃまぜといった感じだ。
しかし、ただ手あたり次第に擬人化しているというようなことではなく、これは本作のテーマに伴ってキャラクターが選定された結果といえる。戦争を擬人化したキャラクターたちは「戦神」と呼ばれ、一方の英雄たちモチーフのキャラクターは「ミナシゴ」と呼ばれる。
本作の世界は、「災禍」と呼ばれる大魔王と、その配下である堕落した戦神、魔王によって支配されている。主人公はそんな魔王たちを打倒できる存在のミナシゴを集めた孤児院を運営しており、絶望に染まった世界に未来を取り戻すため、ミナシゴたちと力を合わせて戦っていくというのが物語の骨子だ。
この“戦争”の化身である戦神を、戦争によって生まれた“孤児(みなしご)”が打倒するという構図こそ、本作のテーマを表しているといえるだろう。重厚なテーマにマッチするように、メインストーリー自体もかなりシリアス寄りに描かれているのが、FANZA GAMESのタイトルの中でも特徴的だ。
分かりやすい勧善懲悪のお話やコミカルに描かれるバトルコメディーもいいが、本作はしっかりとした読み応えのあるダークファンタジーが好きなユーザーにオススメのタイトルになっている。
バトルのカギは“戦神”を駆使した戦略
バトルシステムについては、基本的にはターン性のコマンドバトルになる。パーティーメンバーは5人まで。それぞれ「アビリティ」を使用するか通常攻撃をするか選んで、最後に「攻撃」ボタンをタップすると、事前に選択した一連の行動を行なう。また、ミナシゴたちはブレイブゲージというものを溜めることにより、いわゆる必殺技に当たる「ブレイブスキル」というものも使用できる。
キャラクターの行動順は敵・味方交互というわけではなく、戦場全体でSPD(素早さ)の値が高い者から行動していく形だ。ここまでは、他作品でも割となじみ深い部類。
一方で、本作で特徴的なシステムは何かというと、やはり「戦神召喚」だろう。前述の戦争の化身である戦神を召喚し、一定ターン数一緒に戦えるというシステムだ。
通常、この手の召喚獣的なシステムは、使ったら強力な攻撃を一度だけ放って終わり……といったようなものが多い。しかし本作の場合、戦神は召喚後に一定ターン数とどまり、パーティーメンバーと一緒に敵を攻撃してくれるのだ。戦神の攻撃は強力で、かなり頼もしい存在といえよう。
さらに戦神を召喚中、戦神ごとに条件に合ったスキルを使用すると「コンボ」がつながり、攻撃の威力が上がっていく。例えばストーリー進行で手に入るSSR戦神「ミッドウェー」の場合、「闇属性もしくは武器種が銃の攻撃」でコンボが発生する。属性や武器種については後述するが、召喚中は積極的にコンボを狙いたいところだ。
また、戦神召喚中はパーティー全体のステータスアップなどのバフ効果もつく。とにかく戦神召喚中は大きなチャンスタイムなので、これをどれだけ活かせるかが攻略のカギになるだろう。
ただ、いくら強力といっても、適当なタイミングで発動させてしまうのもあまり得策ではない。本作においては、バトル中のリソース管理が非常に重要だ。
こういったコマンドバトルの場合、スキルはクールタイム制で、1度使ったら一定ターン数経つとまた使えるようになるといった場合が多い。しかし本作の場合、スキルは使用回数制で、1バトルの間に使える回数が決まっている。戦神召喚も同じで、自分の戦神とフレンドから借りた戦神、1回ずつしか使用できない。
考えなしにスキルや召喚を使ってしまうと、長期戦になった場合に不利になっていく。バトルは2~3ウェーブ行なわれることがほとんどなので、戦局を見据えてスキルを温存するといった判断もする必要があるだろう。
戦局を見る上では、敵の状態を把握することも忘れてはいけない。敵のHPバーの下にあるひし形のマークは、ターン経過ごとに1つずつ溜まっていき、最大まで溜まると強力な必殺技を繰り出してくる。相手がザコの場合ならまだしも、ボスの場合は一気にパーティーが壊滅しかねないような状況に陥ることもある。このマークと敵の行動順は注視しておく必要があるだろう。
また、ボスの場合は「RG(レイジゲージ)」にも注意が必要だ。このゲージは最初は0からスタートし、攻撃するたびに増加、最大値になるとボスがレイジモードになり、攻撃などが強化される。しかしレイジモードのボスに攻撃を当てていくと、ゲージが逆に減っていき、なくなると一定ターンの間スタンモードに移行する。スタンモードでは敵が弱体化しており、マークが溜まった際の強力な攻撃も放ってこない。そしてスタンモードが終わると、再び通常モードになる。
つまりボスは、通常→レイジ→スタン→通常……というように状態変化を繰り返していくことになる。強化状態のレイジモードで上記の強力な攻撃を食らえばかなりの痛手になってしまうが、スタンさせてしまえば通常モードに移行するまで必殺技は放ってこず、放たれた際も通常モードなのでダメージは最低限に済むというわけだ。こういったことを考えながら、敵のゲージを管理していくのがボス攻略のコツだ。
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