最低fpsを引き上げた「Apex Legends」
続いては「Apex Legends」を使う。画質は最高設定とし、射撃練習場における一定コースの移動とバンガロールのスモークの中に入るという行動をとった時のフレームレートを「CapFrameX」で計測した。起動オプションで144fpsフレームレート制限の解除(+fps_max unlimited)を追加している。
ご存じの通りフレームレート上限を解除しても、GeForce RTX 3080のパワーがあれば隠し上限である300fpsに到達させるのはたやすい。しかし、スモークのような半透明の表現はフレームレートにとって強いインパクトとなり、最低fpsもここのタイミングで記録される。
まず平均fpsでトップを獲ったのはCore i9-10900Kだが、そこから1fpsも違わない位置にRyzen 9 5800Xが付けている。この部分だけ見ればCore i9-10900Kがタイに持ち込んだと言えなくもないが、最低fps(の1パーセンタイル点)を見ると、Ryzen 7 5800Xの方が10fps近くも高い。この最低fpsの高さはZen3アーキテクチャーにあることは上のグラフを見ても明らかだ。
Ryzen 3000XTシリーズも悪くはないが、同コア数の第10世代Coreプロセッサーにやや劣る。しかし、今回のRyzen 5000シリーズは平均fpsで並び(抜けないのは300fps上限の存在もあるだろう)、最低fpsでは完全に上回っている。グラフからも読み取れる通り、2CCD構成のRyzen 9 5900Xよりも1CCD構成のRyzen 7 5800Xの方がなんとなく良い値が出ている感じはするが、このゲームでは誤差レベルとしか言いようがない。
見えない壁に阻まれる「Borderlands 3」
続いては「Borderlands 3」で試してみる。APIはDirectX 12、画質は“バッドアス”に設定し、内蔵ベンチマーク機能を利用して計測した。ただし、最低fpsはログを分析して算出している。
グラフだけを見ると144fpsあたりで制限がかかっているように見えるが、今回のハードウェア構成ではどのCPUも140fpsよりやや下に収束していっただけだ(実際は150fps以上出るシーンもある)。それゆえかなりGPU側がボトルネックになっているベンチと言うこともできるが、最低fpsの出方を見ると、CPUパワーの差が出てくる。
最も優秀だったのはRyzen 9 5900X、続いてRyzen 7 5800Xだった。Core i9-10900Kも優秀だが、Ryzen 5000シリーズの登場で最速の座からは追われてしまったといえるだろう。
「MONSTER HUNTER WORLD: ICEBORNE」では
Ryzen 5000シリーズが圧倒的な強さをみせる
続いては「MONSTER HUNTER WORLD: ICEBORNE」で試してみよう。APIはDirectX 12とし、画質は“最高”をベースにHigh Resolution Textureを追加している。「CapFrameX」で集会エリアにおける一定のコースを移動した時のフレームレートを計測した。
以前第10世代CoreプロセッサーとRyzen 3000XTの8コアモデル同士を対決させた際は平均fpsにおいて第10世代Coreプロセッサーが圧倒的な強さを見せつけたが、Ryzen 5000シリーズはさらにその上を行き、コア数の多い旧世代CPUをも軽く抜き去ってしまった。
同コア数のRyzenを見た場合でも最低fpsが30fps近く延びており、このゲームのQOL上昇に大いに役立ってくれることを示している。ハイエンドGPUを使っている場合はCPUのパワーアップでフレームレートが延びることがまま見られるが、ここまで劇的な変化はあまり記憶がない。今Ryzen 3000番台を使っているなら、Ryzen 5000シリーズへの乗り換えはぜひともオススメしたいところだ。
「Horizon Zero Dawn」ではあまり効果なし?
別の重量級である「Horizon Zero Dawn」でも試してみよう。画質は“最高画質”とし、ゲーム内ベンチマーク機能を利用して計測する。これまで何回かこのベンチマーク機能を使った結果最低fpsのブレが極めて大きいと分かったので、今回は5回続けて計測を実施し、最低fpsの中央値を出した結果を採用することとした(最低はブレるが平均fpsはほとんどブレない)。また、このベンチにおけるCPU側のフレームレートも比較してみた。
MONSTER HUNTER WORLD: ICEBORNEではないが、ここでもRyzen 5000シリーズが平均fpsを大きく引き上げている。最低fpsもRyzen 5000シリーズの方が高く出ているが、筆者が試した限りでは、このゲームはコア数が6基程度のCPUの方が最低fpsが延びることも分かった(これについては次回に回したい)。最低fpsが落ち込みやすいのはゲーム側の設計の不備もかなり多く占めているようだ。
ただRyzen 5000シリーズはCPUのフレームレートでも既存のCPUよりも平均および最低fps(1パーセンタイル点)においても高い値を示している。その分だけGPUに効率良くレンダーキューを出せると考えれば、Ryzen 5000シリーズは圧倒的にゲームで強いという結論を出しても良いだろう。
最新重量級「Watch Dogs: Legion」では?
最後に直近の話題作である「Watch Dogs: Legion」でも試してみよう。APIはDirectX 12、画質“最大”をベースに、レイトレーシングも“最大”+DLSS“バランス”+精細度100%を追加した。ゲーム内ベンチマーク機能を利用して計測している。
このゲームではDXR設定を高くするとかなりのCPUパワーを要求されるので、強力なCPUは必要不可欠。ここでもRyzen 5000シリーズが平均fpsのみならず最低fpsも引き上げており、Ryzen 5000シリーズのPCゲームにおける強さが再確認できた。
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