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小島寛明の「規制とテクノロジー」 第99回

デジタル化した政府はグーグルに似ている

2020年11月02日 09時00分更新

文● 小島寛明

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 2ヵ月前に就任した菅義偉首相が「今までにないスピードで取り組む」とネジを巻いたことで、デジタル庁の設置に向けた準備が高速で進んでいる。

 政府は、複数の有識者会議を置いているが、こうした会議の資料を熟読すると、うっすらとではあるが、政府がどこへ向かいたいのかが見えてくる。

 政府が目指しているのは、行政機関の「プラットフォーマー化」だろう。

 プラットフォーマーの言葉からは、グーグル、アップル、アマゾン、フェイスブックの4社が浮かぶが、日本政府がSNSやEコマースを始めるということではない。

 描かれているのは、個人や企業などに関する大量のデータを保有し、必要に応じて民間にもデータを提供する行政の姿だ。

 政府は、グーグルになりたいのか。

●デジタル化の基本原則示す

 現在、デジタル・ガバメント閣僚会議の下に3つの有識者会議が置かれている。

 テーマは、デジタル改革関連法案、マイナンバー、データ戦略の3つだ。

 デジタル改革関連法案のワーキンググループは、2020年10月28日の会議で、10項目の「基本原則」の案を示した。

 この基本原則には、「個人が自分の情報を主体的にコントロール」「誰一人取り残さない」「官民のデータ資源を最大限に活用」といった考え方が含まれている。

 あらゆる分野の仕組みをデジタルに置き換える政策を進めるうえで、こうした核になる考え方は重要だが、今後の方向感を見定めるうえで、3つの有識者会議のうち、データ戦略タスクフォースに注目したい。

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