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魅惑の軽スポーツ「ホンダ・S660」で遊ぼう第16回

ホンダ・S660にモアパワー・モアトルクを授けたい!

文●栗原祥光(@yosh_kurihara) 編集●ASCII

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タービン交換+水冷化でより上の世界へ

HKSのカスタムパーツが取り付けられたS660のエンジン(東京オートサロン2018で撮影)

HKSの手が入ったS660のエンジンルーム。大まかな値段は水冷インタークーラーキットが37万8000円、水冷オイルクーラーキットが29万8000円、S660 GT100R PACKAGEが24万円

低過給圧から高過給圧までの幅広い領域で確実な作動を実現するブローオフバルブ「スーパーSQV IV」は3万2780円。盛大なブローオフバルブ音も楽しめる

 S660 GT100R Packageは、軽自動車の自主規制枠である64馬力からS660を開放するもの。純正ターボのブーストアップでも約80馬力程度までは対応できるのですが、そこから先となると純正タービンはもちろん、インジェクターや燃料ポンプでは容量が足りないため、それらも交換をする必要があるとのこと。「ショップに依頼すると工賃含めて約40万円位ではないでしょうか」と開発担当者。1馬力1万円といったところでしょう。ちなみにS660は6MT仕様のほかCVT仕様も用意されていますが、S660 GT100R PackageはCVTへの搭載は非対応とのこと。「馬力にCVTが耐えられないんですよ。ミッションを壊した、という話は知っていますし私も見たことがあります」。

 このハイパワーをいつでも引き出せるようにするために登場したのが、「水冷式インタークラー」と「水冷式オイルクーラー」の2アイテムです。いずれも高額なアイテムで、まさに高嶺の花。インタークーラーとは、ターボで加圧された空気をエンジンに入る前に冷やすための装置。一般的に吸気温度は低ければ低いほど、パワーは出しやすくなるほか、点火前に燃焼が始まってしまうプレイグニッションの発生を抑える効果があります。「S660の場合、吸気温度が70度を超えると車両側でパワーを落とす制御が働くのですが、夏場の街乗りでも簡単に達してしまいます。当初は純正インタークーラーと置き換える空冷式で開発を進めていたのですが、S660はミッドシップというレイアウトですから、あまり冷えないんです。ですので水冷式を開発しました」とのこと。ちなみに吸気温度が30度上昇すると10%以上出力が減少するので、タービン交換のパワーを存分に味わうためにも必要なアイテムと言えそうです。

 一方、オイルクーラーはエンジンオイルを冷却するためのもの。エンジンオイルはエンジン保護の面でとても重要で、特にサーキット走行を行うとすぐに熱くなってしまうそうです。「インタークーラー同様、オイルクーラーも水冷式としたのは、ミッドシップという問題があったためです。オイルクーラーを空気の当たりやすい車体前方に持って行くと、オイルラインが長くなりますから、油圧が下がってしまいます。ですので水冷式を採用しました」なのだそう。「これらの水冷式アイテムは、パフォーマンスはもちろんですが、エンジン保護の面でも有益です。長くS660を楽しみたい方にはオススメです」とのこと。高額ですが、自分もいつかは……と夢が膨らまざるをえません。

HKSが限定販売したカーボン製エンジンフード

エンジンフードの裏側。強度もしっかり確保されている

サイドに導風口も用意され、エンジンルームにフレッシュエアーを取り込む工夫がなされている

 近年HKSはエアロパーツにも着手しています。S660用にも限定生産でしたが、カーボン製のエンジンフードを販売しています。「こちら限定販売だったのですが、好評をいただきました。軽さはもちろんですが、エンジン内部の冷却にも効果のある形状としました。今後量産化できるよう進めています」というから、オーナーとしては期待したいところ。確かに触ってみると驚きの軽さでした。

デモカーに搭載されたホイールはADVAN RacingのTC-4。タイヤは横浜ゴムのFLEVAが装着されていた。その奥に見えるのはENDLESSのブレーキキャリパー

Modulo(ホンダアクセス)のフロントバンパー。カーボン調のラッピングシートが施されていた

SUPER GTをはじめとするレース車両でよくみかけるクラフトスクエアのサイドミラー

車内の様子。NARDIのハンドル、ロールゲージなどレーシーな雰囲気満点!

シートはブリッドのフルバケットタイプを2脚セット。アイポイントはかなり低めだった

エアコン送風口の先にあるのは、HKSのフラッシュエディター。車両の燃調マップを書き換える機械だが、走行中は水温をはじめとする各種情報を表示することもできる

 デモカーは、ENDLESSのブレーキキャリパーとディスクローター、パッド、ADVANレーシングのTC-4というホイール、ブリッドのシートにロールゲージ、ModuloのフロントバンパーといったHKS以外のアイテムも搭載されておりました。白いボディーに赤のホイールとシートはカッコよさ満点で、「コレは真似したい」と心がときめかずにはいられません。センターコンソールのエアコンダクトの前に配したROMチューンアイテム「フラッシュエディター」の置き方も素敵。フラッシュエディターは、ODBⅡポートから水温や吸気温度などの情報を取得して表示できますので、この置き方もまた真似したいところです。

HKSのS660デモカー。ここまでいかずとも真似したくなるものはいくつもありました

 それではHKSチューンのS660の実力はいかに? と乗り込もうとしたところ「ごめんなさい。実はナンバーを切っていまして……、公道を走ることはできないんですよ」と残念なお知らせが。100馬力のS660を楽しむことはできませんでした。ですが見ているだけでも、このクルマがタダモノではないことは十分に伝わってきます。

 「S660のアイテムは、一時期売り上げが下がったのですが、マイナーチェンジ発売以降、また売り上げを伸ばしつつあります。HKSとしては、今後120馬力以上が狙えるアイテムの販売を検討しています。具体的にはタービンのほか、強化コンロッド、強化ピストンなどですね」と、担当者からはうれしい言葉も。モアパワーを求める方はもちろんのこと、今後エンジンオーバーホールを検討されている方はHKSの動向に注目してはいかがでしょう。

美女木にあるHKSのアンテナショップ「HKSテクニカルファクトリー」

HKSテクニカルファクトリーの店内。ウッディーな室内に、垂涎のパーツがズラリ展示

HKSテクニカルファクトリー内に設けられたS660コーナー

 当日、取材は美女木にあるHKSのアンテナショップで行なったのですが、店長も「S660のチューニング熱は高いことを実感しています。それはS660が楽しいクルマで、オーナーの期待に応えてくれるから。なにより、もっとS660を楽しみたいというオーナーが多いということでもありますね」と話していました。オーナーとしては、今後のHKSのアイテム群に期待するとともに、息長く作り続けていただきたいと願わずにはいられません。

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