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90日間無償でクラウド型営業支援ツールとコラボレーションツールを提供、業務効率化を支援

セールスフォース、中小企業向けDX支援パッケージを無償提供

2020年09月14日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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“紙と電話、ハンコの文化”だった中小企業がゲスト登壇、レガシー脱却を語る

 同発表会には、DXに取り組む中小企業として、木材卸業を行う東集 代表取締役社長の望田竜太氏がゲスト登壇した。望田氏は、PwCコンサルティングなどでDX支援を行ってきた経験があり、2020年からクレストホールディングスのCOO兼CSOに就任、東集の社長も兼務している。

 「東集は社員数27人の会社。(クレストホールディングスが)2019年9月に買収したときには“紙と電話”の文化を持つレガシーな企業であり、データがない、目標値やKPIがない、PDCAが機能しないという状況にあった。親会社がSalesforceを導入していたので、その成果を基に『東集を半年間でグループ会社と同じDXレベルにする』『現場からの反発があっても後戻りはせず、トップダウンでデジタル化を推進する』と決めた」(望田氏)

木材(集成材)の卸売業を営む東集の会社概要。以前はよくある“紙と電話文化”の中小企業だった

 まずは初日、ISDNと有線LANだった東集のインフラを光回線とWi-Fi環境に移行。その後も少しずつ改善を進めながら、4カ月間で営業のリード、商談管理、購買/在庫、会計にSalesforceを導入した。望田氏は、「社員が『日々の変革』に慣れていくことがポイント。情報はまとめて公開するのではなく、少しずつ提案しながら社員の理解を得て、変化を当たり前のこととしていく」と、社内変革をリードするうえでの要点をまとめる。

 従来あった業務システムは2020年3月に停止。その後、新型コロナウイルスの感染拡大を受け4月からリモートワークでの運用を開始したが、それまでの「紙と電話、ハンコの文化」を脱却していたことで、どこでもビジネスできる環境が整っていた。オンライン会議によって社内コミュニケーションも活発化しており、これまでは「新規顧客開拓もできない体制」だったものが、一転して新たなビジネスの種も生まれるようになった。マーケティング/営業活動もデータを活用するスタイルに進化し、「数字を意識した行動」が当たり前となった。

IT環境の改善とSalesforceの導入プロセス。4カ月をかけて段階的に移行を進めた

 こうしたDXの取り組みを通じて、現在では付加価値率が7%改善し、売上成長モデルの確立、労働環境の改善、また若手新人の採用にもつながる成果が出ているという。

 「今後はAIの活用やグループデータの活用を進め、さらなるイノベーションの種を生みたい。レガシー産業における中小企業のDXは難しいが、まずは『変わらなければ終わってしまう』というトップのコミットメントが重要だ。また、変えることには抵抗が多いため、考える時間がないくらいのスピードで変化し、一方で泥臭い説得や熱意を持つことが必要である。さらに、中途半端に安いシステムを使ったり、やれることだけをやるという姿勢を持ったりすると、あるべき姿には持って行けず、結局は無駄な投資になる。(デジタル変革を)やるならば徹底的に、ドラスティックにやるべきであり、拡張性のあるシステムならば、使い込めば投資回収はできる。DXを前提に業務を設計し、UIも人に寄り添うようなシステムにしなければならない」(望田氏)

東集におけるデジタル変革、業務改善の成果

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