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90日間無償でクラウド型営業支援ツールとコラボレーションツールを提供、業務効率化を支援

セールスフォース、中小企業向けDX支援パッケージを無償提供

2020年09月14日 07時00分更新

文● 大河原克行 編集● 大塚/TECH.ASCII.jp

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全事業者の99.7%を占める中小企業のDX実現が日本経済の発展につながる

 セールスフォースではこれまでも、新型コロナウイルスの感染拡大に対応して中小企業向けの支援策を展開してきた。2020年4月には、同社製品や技術の一部を緊急支援ソリューションとして無償提供する「Salesforce Care」を発表、全世界で8000社以上が登録したという。また8月には、SMBCグループのプラリタウンとの協業による中小企業のデジタル化推進支援、JTBとの包括連携協定に基づく地方経済のDX支援を開始している。

 千葉氏は、新型コロナウイルスの感染拡大に伴ってDXが一気に拡大し、あらゆる企業でデジタルスキルの習得が不可欠になっていること、また厳しい社会環境下では、企業が率先して変革をリードする必要があることを訴えた。特に、日本の全事業者のうち99.7%を占める中小企業におけるDXの実現が、日本経済の発展につながることを強調する。

 「中小企業におけるこれまでの課題は、営業活動が属人的であること、社員が複数の役割を兼務していること、会社にIT部門がないことだった。さらにコロナ禍においては、売上の減少、商談や出張の中止/延期、取引先の廃業といった経営危機にも直面している。東京商工リサーチの調査によると、新型コロナの収束が長引いた場合には、中小企業全体の8.5%、30万社超が『廃業を検討する』という。中小企業にはDXが必要であり、そのためには誰もがどこでも使えて、導入が容易なITシステムでなければならない。新たなコミュニケーションから印鑑の電子化まで、デジタルによる業務効率化、そして変革に取り組んでいくことが中小企業には必要だ」(千葉氏)

コロナ禍によって中小企業は厳しい経営環境に直面している。千葉氏はデジタル化による業務効率化と変革が必須だと強調する

 幅広い業務のデジタル化によるメリットのひとつとして、業務アプリケーション間の連携が考えられる。同社 執行役員 アライアンス事業AppExchangeアライアンス部 部長の御代茂樹氏は、AppExchangeパートナーエコシステムの現状を説明した。

 御代氏は、リモートワークに対応したオフィスツールとしてSaaSへの注目が高まっており、営業現場では「オンライン営業」「オンライン名刺交換」などの活用スタイルも生まれている一方で、各業務部門が個別にSaaSを導入してしまうことで「将来的には“部分最適”になってしまい、全社の生産性が向上しないのではないかという懸念がある」と指摘する。そうした課題解決のために、AppExchangeのエコシステムが活用できる。

 「AppExchangeには5000を超えるアプリケーションがある。そして、Salesforceユーザーの88%がパートナーアプリを同時に導入し、複数のアプリを利用している。この数字は、AppExchangeの有用性を裏付けるものだと言える。コロナ禍において、パートナーエコシステムがこれまで以上に機能しはじめている」(御代氏)

AppExchangeには幅広い業務アプリがラインアップされており、“SaaS Mix”のかたちで使える

 また、Salesforceのエンドユーザー企業が、その活用ノウハウを生かして他社の導入を支援する動きもあるという。たとえば、土木建設事業を行う斉藤砂利工業では、新規事業としてクラウド業務革新の提案を行っていると紹介した。

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