イケメン男性からさわやかな女性まで、ビジネスで使える画像を生成AIで作るときのプロンプト
2025年02月14日 16時30分更新
本連載は生成AIをこれから活用しようとしている方たちのために、生成AIの基本やコピペしてそのまま使えるプロンプトなどを紹介。兎にも角にも生成AIに触り始めることで、AIに対する理解を深め、AIスキルを身に着けて欲しい。第6回はビジネスで活用できる画像を生成AIで出力するときのプロンプトについてする。
ちょっとした画像は生成AIで作ってしまおう
広告で使うポスターや企業のホームページなどで使う画像はプロに依頼したほうがよいかもしれないが、自社オウンドメディアやパンフレット、セミナーの募集広告などに使うワンポイントの画像であれば手間とコストをかけずに用意したいところ。フリー素材サイトや画像素材サイトを利用している人も多いのではないだろうか。
もちろん、イメージしている画像がさくっと見つかるなら問題ないが、なかなか見つからないということも多いだろう。そこでお勧めなのが、画像生成AIだ。プロンプトを入力すると、AIがそれに従って画像を作り出してくれるのだ。
イラストはもちろん、リアルな写真も生成でき、最近は一目ではAIによるものとわからないほどクオリティが向上してきている。とはいえ、触ってみるとわかるが、想像通りの画像を作ってもらうことができずに躓いてしまう人も多い。そこで今回は、欲しい画像を生成するプロンプトの作り方を紹介しよう。利用する画像生成AIは「Stable Diffusion」だ。
「Stable Diffusion」は、2022年8月に公開されたディープラーニングを活用した画像生成AIモデルで、テキストから画像を生成する(text-to-image)技術で注目を集めた。Stability AIが開発したが、ソースコードやモデルを無償公開しているため、誰でも無料で利用できるのが特徴だ。
しかし、大容量メモリを積んだNVIDIA製のグラフィックボードが必要になるなど、自宅や会社のPCで動作させるには少々の投資と知識が必要になる。そこで、まずはクラウドサービスで試すことをお勧めする。利用料金は発生するが、PCや電気代を気にしなくて済むので気軽だ。
今回使うのは、ConoHa AI Canvasは「Stable Diffusion XL」。ブラウザ上で簡単に利用できるAI画像生成サービスで、性能を問わず手元のPCで利用できる。
プロンプト、ネガティブプロンプトに入れる要素
まずは、チェックポイントと呼ばれるファイルが必要になる。AIが絵柄などを学習した内容を記録したもので、「Hugging Face」などからインストールし、自分で「ConoHa AI Canvas」にアップロードする必要がある。有名どころでは「Juggernaut XL」や「DreamShaper XL」などがあるが、様々な絵柄や被写体に特化したチェックポイントが公開されているので、AIモデルやAIアートの投稿プラットフォーム「Civitai」などで色々と探してみよう。
準備ができたら早速、男性がオフィスで働いているシーンを生成してみよう。「japanese man working in office」と入力すると、すぐにそれっぽい画像が生成された。利用しているチェックポイントは「Juggernaut XL」だ。
しかし、画像をよく見ると顔の描写が甘く、他の机の位置が不自然になっている。エアコンの位置も微妙だ。
次に、ネガティブプロンプトを入力してみよう。プロンプトが画像に入れてほしい要素とすれば、ネガティブプロンプトは画像に入れてほしくない要素となる。例えば、低品質、3Dモデル、漫画、絵画、文字などを除去したいなら、「low quality,3d,cartoon,painting,text」と入力する。
人物を描写する場合は「ugly(醜い)」や「blurry(ぼけた)」、「bad anatomy(不正確な人体)」、「bad hands(不正確な手)」なども利用されることが多い。ビジネスで使うなら「nsfw(エロ要素)」も追加しておくといいだろう。
それでもデスクや椅子の配置に違和感がある。とはいえ、ネガティブプロンプトにデスクや椅子を入れると変になる。そんな時は、窓際に座ってもらおう。また、何も指定しないと、おじさんになりがちなので、若いイケメン男性にしてみる。
「working in modern office,Large windows overlooking skyscrapers(モダンなオフィスで働いている様子、高層ビルが見える大きな窓)」といった背景と「1 handsome Japanese man,20 yo,smile(ハンサムな20歳の日本人男性が笑っている)」というプロンプトを追加した。
もちろん、プロンプトで女性と指示すると、女性になる。どちらかと言うと、画像生成AIは女性の描写の方が得意な傾向にある。
生成AIで修正することもできる。例えば、手の描写が変とか不要なものが映っている時に、インペイント機能で一部を再描画できるのだ。例えば、「laptop」と指示して銀色のパソコンが映っている際、背面にアップルのロゴが欲しければ、まずは「img2img」の「inpaint」タブに画像を読み込む。続けて、PC背面の再描画したい部分をざっくり選択し、プロンプトに「macbook,apple」と追加して再生成すればいい。
あまり複雑なやり直しはできないが、ワンポイントを修正したいときには試してみる価値はある。
Stable Diffusionで使えるプロンプトの例はネット上に大量に公開されている。試行錯誤も大事だが、自分で考えた単語が必ずしも有効とは限らない。描写したい内容をネットで検索し、まずは真似から入るのもお勧めだ。
画像生成AIも使っていくうちに勘所がわかってくる。何はともあれ、とりあえず触って見ることをお勧めする。
注目の最新AIニュース
1月15日、Googleは生成AI「Gemini」の機能を「Google Workspace」向けに統合すると発表した。これまでは追加料金が必要だったが、「Gemini」を無料で使えるようになる。その代わり、ベースとなる料金が値上がりする。Business Starterは680円から800円、Business Standardは1360円から1600円、Business Plusは2040円から2500円となる。StandardやPlusプランでは、Gmailに加えて、GoogleドキュメントやMeetと連携できるほか、Gemini Advancedも利用できる。新規ユーザーの利用料金はすでに改定されており、既存ユーザーの月額サブスクリプション料金は、2025年3月17日から変更されるという。

この連載の記事
-
第10回
Team Leaders
営業先や業界の調査に生成AIを使わない手はない! 新規顧客獲得に効果を発揮する検索特化型AIとは? -
第9回
Team Leaders
営業部門の時間を短縮! 新規顧客開拓に必要な提案書はChatGPTが少ない手間で簡単作成 -
第8回
Team Leaders
新年度に必要な書類のたたき台を秒で作る! 人事部門の効率化で時間短縮! -
第7回
Team Leaders
お知らせや依頼文、催促など、書き慣れない種類のメールを生成AIに代筆してもらって時短する -
第5回
Team Leaders
メールやブログ、プレゼン資料チェックに生成AIを活用し、クオリティの高い文章を簡単に作成する -
第4回
Team Leaders
生成AIで作成した画像をビジネス活用! 外注要らずで時短・コストカット -
第3回
Team Leaders
社内のフォーマットに合わせて生成AIに議事録を作成させる -
第2回
Team Leaders
手間がかかる議事録はAIを使ってサクッと作ってしまおう -
第1回
Team Leaders
みんなで生成AIを使って生産性を高めよう! 超手軽なのに便利な使い方を紹介 - この連載の一覧へ