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最新パーツ性能チェック 第307回

30回テストでわかった各CPUの挙動とその理由

Core i9-10850K対10900K、1万円の価格差を動画エンコードやゲーム性能で徹底検証

2020年08月21日 11時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集●ジサトライッペイ/ASCII

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3DMarkでもCore i9-10900Kが首位に立つもその差は小さい

 ゲームの検証もこの後に控えているが、その前に「3DMark」でのスコアーも比較してみよう。テストは「Fire Strike」と「Time Spy」の2つを実施した。

「3DMark」Fire Strikeのスコアー

「3DMark」Time Spyのスコアー

 Graphicsスコアーだけを見るとCore i7-10700Kも健闘しているが、物理演算(Physics及びCPU)ではCore i9-10900KやCore i9-10850Kが優秀なスコアーを叩き出し、総合スコアーを引き上げているように思える。結果、Fire StrikeでもTime SpyでもCore i9-10900Kは首位に立ったが、Core i9-10850KやCore i9-10900との差は大きくない。

動画エンコード速度の差はほぼなし

 では実際のアプリベースの検証に入ろう。今回は「Media Encoder 2020」を利用して、「Premiere Pro」で作成した3分半程度の4K動画をH.264 VBR 80Mbps(1パス)でMP4にエンコードする時間を計測する。ただし、Core i9-10850KとCore i9-10900Kのスペック差が微妙すぎて単純な比較では差異が見えにくいため、結果を30回サンプリングしてみることにした。検証にあたっては前もって3回エンコードさせ、CPUやCPUクーラーを暖めてから30回サンプリングという手順を踏んでいる。

 まずは30回の平均時間を見てみよう。

「Media Encoder 2020」による動画エンコード時間(30回平均)

 この結果だけを見てもCore i9-10850Kと10900Kの差があってないようなものだとわかる。コア数やTDPが同じでクロックが100MHzしか違わなければ、このような結果になるのは当然だ。Core i9-10900はTDPが65Wと低いぶん、Core i9-10850Kのように回らないことを示している。

 では、次に30回の動画エンコードにおける処理時間の推移を試行回数ごとに見てみよう。

「Media Encoder 2020」による動画エンコード時間(縦軸)と試行回数(横軸)のグラフ。横軸は左→右へ試行1回目、試行2回目……というふうに見てほしい

 ある局面ではCore i9-10900Kが速いが、逆にCore i9-10850Kのほうが速いことも珍しくない。ほぼ五分五分の結果と言えるだろう。動画エンコードのように高めの負荷が激しく変動しながら続く処理では、100MHzの差はあってないようなものだと言える。

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