新型コロナウィルスが落ち着くまでにはまだ時間がかかりそうで、海外へ自由に渡航できる日が来るのはまだ先になりそうです。筆者も中国に入国できず、ファーウェイやシャオミ、OPPO、Vivoなどのスマートフォン新製品を現地で見ることがでない悲しみが続いています。そんな深センでは8月18日に新たに地下鉄2路線が開通しました。深セン地下鉄の6号線と10号線です。
この2路線の開業で、深センは地下鉄総延長が383キロメートルとなり、中国で4番目のメトロネットワークを持つ都市となりました。路線数も10路線となっています(1号線、2号線、3号線、4号線、5号線、6号線、7号線、9号線、10号線、11号線)。ちなみに東京の地下鉄は東京メトロ195キロ9路線、都営地下鉄が109キロ4路線で、合計は306キロ13路線。距離数では深センがついに東京を抜きました。
この新しい地下鉄には注目点がいくつかあります。まずは携帯電話ネットワークが当初から完備されていること。6号線と10号線は開業に合わせて2G、3G、4Gさらに5Gのネットワークに対応。しかもチャイナモバイル、チャイナテレコム、チャイナユニコムの3社の5Gも利用できます。中国はすでに主要都市では5Gエリアがかなり広がっていますが、地下鉄の駅構内でも5Gが自由に使えるのです。なおネットワークを構築したのはファーウェイで、同社の地下鉄向けのネットワークソリューションが採用されています。
また10号線には注目すべき駅が2つ開業します。10号線の起点駅は「福田口岸(福田国境)」。この国境は香港と深センの間にある複数の国境の1つで、香港側からは香港地下鉄の東鉄線「落馬洲駅」からアクセスできます。海外旅行ができるようになったときは、香港経由で地下鉄10号線にアクセスできるわけです。
注目駅の1つは「冬瓜嶺」(Donggualing)駅。ここは深セン中心部に近く新しいショッピングモール「深業上城」(UpperHills)が昨年開業しています。しかし、既存の地下鉄全路線の駅から離れておりシェアサイクルやタクシー、バスなどを利用する必要がありました。10号線の開業で香港の国境からわずか5駅で訪問できるようになったのです。ここには一時期話題になった無印良品が経営するホテル「Muji Hotel」もあり、観光がてらに立ち寄りたいエリアです。
もう1つの注目駅は「華為」(Huawei)駅。そう、「ファーウェイ駅」です。場所は深センの竜崗区坂田地区で、約200万平方メートルという広大な敷地に研究設備や社員の居住区などが配置されているファーウェイの巨大なキャンパスなのです。
坂田キャンパスの様子はこちらの記事に詳しく出ています(とにかく広くて何でもあり! ファーウェイの深セン本社レポート)。
坂田キャンパスは多数のバスが走っているためアクセスは容易とはいえ、定時制に優れた地下鉄に勝るものはありません。残念ながらここにはファーウェイのお店があるわけではないのですが、ファーウェイファンなら駅だけでも一度は訪れてみたいものでしょう。
駅の様子は中国メディア「毎日経済新聞」にホームの写真が掲載されていました。中国大陸で使う漢字は簡体字で、ファーウェイの文字も日本で見る繁体字の「華為」とは字体が異なります。しかし地下鉄駅の毛筆の駅名表示はあえて「華為」と書かれているようです。早くここに行って写真を撮りたいもの。
ちなみに付近を走る高速道路の出口名はやっぱり「ファーウェイ」でこちらは10年以上も前からあります。以前ファーウェイを訪れたときに車の車内から写真を撮りましたが、簡体字でファーウェイと書かれています。
6号線と10号線の開業で深センのほぼすべてのエリアに地下鉄で行けるようになりました。しかし8号線なども現在建設中で、最終的には15線まで開通するなどネットワークはさらに広がる予定です。数年後には再び自由に深センを訪れることができているでしょうから、そのころになれば今よりももっと楽く深セン各地を訪問することができるようになっているでしょう。
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