モトローラのスマートフォンと言えば合体式モジュールを採用した「moto Zシリーズ」のようにエッジの効いた製品を思い浮かべる人も多いでしょう。しかし、どうやらZシリーズは2019年で終了してしまい、現在はコスパを重視した「moto gシリーズ」を中心に製品展開をしています。「M」のロゴに思い入れのある人は世界中で多く、そんなモトローラのスマートフォンが手軽な値段で買えるのはうれしいことです。
でもやっぱり、世界初の携帯電話を開発したモトローラだけに「モトローラならでは」と思える尖ったモデルが欲しいところですよね。その筆頭といえる製品が、2019年末に発表された世界初の縦折り式フォルダブルディスプレー採用の「razr」。eSIMしか使えないという謎仕様だったこともあり、日本では販売されませんでしたが、その特徴的なデザインに魅了された人は多かったはずです。
razrの日本発売は望めそうもありませんが、最近になって、5Gに対応したrazrの後継機のリーク情報がネットに出回っています。「razr 2020」と噂されるこのモデルは折りたたみデザインはそのままに5Gに対応、カメラ性能も高まっているとのこと。また全体的に丸みを帯びたデザインとなっており、初代モデルよりも高級感が増しているようにも思えます。
初代のrazrは前述したようにeSIM対応がネックで日本では発売になりませんでした。しかし、今では楽天やIIJがスマートフォン向けのeSIMを提供しています。eSIM対応のスマートフォンもファーウェイの「HUAWEI P40 Pro 5G」やリンクスインターナショナルが販売する「Cosmo Communicator with HDMI」、Googleの「Pixel 4」など、iPhone以外の製品も増えています。楽天の「Rakuten Mini」はrazr同様、eSIMのみに対応しています。日本でeSIMを使うハードルはこの半年で大きく引き下がっています。
razrはアメリカでの販売価格が1499.99ドル(約15万7000円)と高価なことも、日本で販売されなかった理由の一つでしょう。しかし、サムスンが5月に発売した「Galaxy Z Flip Thom Browne Edition」は27万円(税別)ながら一瞬で完売となりました。高価でもいい製品は売れるのです。
日本の5Gはまだまだこれからという状況ですが、5G市場を盛り上げるためにも、ぜひ5Gに対応したrazr 2020を日本で発売してほしいと思うところです。サムスンが8月5日に発表するであろう、同じ縦折式スマートフォン「Galaxy Z Flip」の5G版も日本で発売されるでしょうから、なおさらrazr 2020を出してもらい「縦折りスマホ」という新しい製品を一緒に盛り上げてほしいですね。
モトローラはほかにも5Gスマートフォンを海外でリリースしています。Verizon専用となっている「Edge+」はSnapdragon 865に1億800万画素カメラを搭載したハイスペックモデルですが、999.99ドル(約10万5000円)という価格に十分見合った性能を有しています。コスパモデルに注目が集まるモトローラですが、ハイエンドな5Gスマートフォンもいつの間にか出していたのでした。
一方、Snapdragon 765を搭載するミッドレンジ5Gモデル「moto g 5G plus」は、メモリー4GB+ストレージ64GBの最小構成で349ユーロ(約4万3000円)という低価格が魅力の製品です。カメラ性能はリアが4800万+800万+500万+500万画素、フロントはこの価格帯ながらも1600万+800万画素のデュアル。ほぼ同じ価格帯のシャオミ「Mi 10 Lite 5G」を上回るカメラを搭載しています。バッテリーも5000mAhと大きく、低価格5Gモデルとしてかなり魅力的な製品ではないでしょうか?
日本のSIMフリー端末市場はファーウェイやASUSが積極的に低価格モデルを投入していましたが、今やOPPOやTCLといった新しいプレーヤーも増えています。モトローラは早い時期からコスパ重視の製品を投入していましたが、以前より販売競争は厳しくなっているでしょう。
モトローラの日本での存在感を高めるためにも、ぜひ5G対応のスマートフォンを出してほしいものです。「最先端の技術にも対応する」姿を魅せればモトローラ人気はさらに高まるはずです。折りたたみのrazr 2020、低価格なMoto G 5G Plusが日本で発表される日がくることを楽しみにしましょう。
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