■携帯市場に新たな「競争」を
坂井議員、大串議員ともに期待しているのが、3月に3キャリアでサービスが開始された5Gだ。
大串議員は「コロナを機に5Gは加速するのではないか。遠隔教育など、公的サービスとして、5Gが普及している社会を早急に作らないといけない。ビデオ会議アプリでのコミュニケーションもまだまだ脆弱であり、5Gでビデオ会議がスムーズになるといい。5Gによってデジタルトランスフォーメンション一色になるはずだ」と期待する。
坂井議員も「5Gスマホを個人がどう活用できるか。今、個人のスマホが5Gになることで、どんなワクワクが待っているかは想像できないが、いつか個人でも5Gがないとダメという状況になる世界が気になる。その時、MVNOの役割も変わっているのではないか」と見る。
5G時代に向けて、通信料金を安くするには、とにかく市場に「競争」が必要だ。ユーザーがキャリアを移行しやすくするためにも、提言にあるようにeSIMの普及は不可欠だ。また、MNOからMVNOに乗り換えやすくするために、MVNOに対する知識をユーザーが学べる環境を整備していく必要がある。
MVNOのみならず、キャリアのサブブランドが増えることも、ユーザーの選択肢を増やすという意味で必要となってきそうだ。
これまで総務省の有識者会議だけが、モバイル市場の競争環境を検証してきたが、今回のような議員による視点があることで、また違った競争環境を作り出すことができるのではないか。このような取り組みはいい機会でもあるので、更なる通信料金の引き下げを実現するためにも、継続的な提言の作成を期待したい。

この連載の記事
-
第262回
トピックス
ソフトバンクとKDDIが“空の救助網” 雪山遭難、ドローンで発見 -
第261回
トピックス
スマホ5G“ミリ波”肩透かし 6Gは“センチメートル波”が鍵に -
第260回
トピックス
ドコモ苦戦 携帯3社、“値上げ”で明暗 -
第259回
トピックス
KDDI、通信品質で再び首位に ドコモとソフトバンクが不満「あの評価基準はおかしい」 -
第258回
トピックス
アドビ、AIで若年層開拓 “映える”画像を作りやすく -
第257回
トピックス
ドコモ経由の“NISAデビュー”増える マネックスか、SBIか、悩ましい選択に -
第256回
トピックス
KDDIドローン事業、9年目で軌道に乗る兆し 無人AIポート運用に成功 -
第255回
トピックス
楽天モバイル“値上げしない宣言”に他社が苦言 「自分たちでネットワークを構築しないくせに」 -
第254回
トピックス
クアルコム「Snapdragon」名称迷走 PC市場での認知施策が課題に -
第253回
iPhone
アップル新型「iPhone」全部比べた オススメはこれ -
第252回
トピックス
アップル「iPhone 17」eSIM専用に? 注目集める - この連載の一覧へ












