佐々木喜洋のポータブルオーディオトレンド 第31回
PS5やXboxの3Dサウンドに対応したPENROSE
アップルも興味深々の空間オーディオ、平面磁界型で一歩先を歩むのがAUDEZE?
2020年07月20日 16時00分更新
Penroseの対応機種は大きく2モデルに分かれる。付属するUSBドングルが青ストライプのカラーリングになっているのが「Penrose」で、プレイステーション 4、プレイステーション 5、加えてWindowsとMacintoshに対応している。 緑ストライプの「Penrose X」はXbox One、Xbox シリーズXとWindowsに対応している。プレイステーション5 やXbox シリーズXのような次世代ゲーム機に対応を表明していることが興味深いが、このことはのちに述べるPenroseの性格を決める上でも重要なポイントとなる。
価格も手ごろになった。Mobiusが海外価格399ドルなのに対して、Penroseは299ドルと100ドルも低価格となっている。ここも大きな違いだ。
Penroseのもっとも大きな特徴は、独自の2.4GHzワイヤレス接続を利用できることだ。独自方式なので送信機であるUSBドングルが付属しており、USBドングルをPCやゲーム機のUSB端子に取り付けて使用する。これによって、低レイテンシーとロスレス接続を可能としている。
オーディオのサンプリングレート上限は48kHzまでとなっている。レイテンシーは14ms以下と大変低いもので、これは低レイテンシーをうたう、aptX LLよりも3倍から5倍優れている。新しいaptX adaptiveもレイテンシーについてはaptX LLと同等ということなので同じことだろう。
またこの2.4GHzワイヤレス接続は、Bluetoothと同時使用ができるので、Bluetoothをチャット専用として使うことができる。ただし、Penroseにおいてはそのように割り切ったためか、Bluetooth接続時にLDACコーデックは使えなくなくなっている(SBCとAACのみ)。
音質的にはMobiusとさほど変わりはないようだ。
ドライバー自体は「Mobius」と同じものを使用しているようだが、イヤーカップ容積や電子回路が異なるためにチューニングは多少異なるとしている。電池での連続再生時間は約15時間ほどのようだ。また、今回は付属マイクが新設計となって性能が向上、背景ノイズを20dB低減させるので、キータイプ音や環境ノイズを低減できるとしている。マイクは取り外しが可能で、Mobiusにも使うことができる。
この連載の記事
-
第300回
AV
インド発の密閉型/静電式ヘッドホン? オーディオ勢力図の変化を感じた「INOX」 -
第299回
AV
夏のヘッドフォン祭 mini 2024レポート、突然のfinal新ヘッドホンに会場がわく! -
第298回
AV
ポタフェス2024冬の注目製品をチェック、佐々木喜洋 -
第297回
AV
なんか懐かしい気分、あなたのApple WatchをiPodにする「tinyPod」が登場 -
第296回
AV
逆相の音波で音漏れを防げる? 耳を塞がないヘッドホン「nwm ONE」──NTTソノリティ -
第295回
AV
NUARLのMEMS搭載完全ワイヤレス「Inovatör」(旧X878)の秘密とは? -
第294回
AV
AirPodsで使用者の動きからBPMを認識、それを何かに応用できる特許 -
第293回
AV
次世代AirPodsにはカメラが付くらしい、じゃあ何に使う?(ヒント:Vision Pro) -
第292回
AV
OTOTEN発、LinkPlayの多機能ネット再生機「WiiM」とSHANLINGの「EC Smart」を聴く -
第291回
AV
ビクターの新機軸、シルク配合振動板の魅力とは? HA-FX550Tを聴く -
第290回
AV
HDTracksがMQA技術を使ったストリーミング配信開始へ - この連載の一覧へ