変更点はブーストクロックのみ、BIOS更新は注意
改めてRyzen 3000XTシリーズのスペックをまとめておこう。変更点はブーストクロックのみで、ベースクロックは従来と同じ。TDPもTなしモデルと同じなので使い勝手の上で変わることはない、いわゆるリフレッシュ版だ。これまでの第3世代Ryzenの開発コードネームは「Matisse」だが、今回のRyzen 3000XTシリーズは「Matisse Refresh」と言うに相応しい。
AMDから提供されたRyzen 3000XTシリーズの予想価格とRyzen 3000シリーズの実売価格を比較すると、最も価格差が小さいのはRyzen 5 3600XTだが、Ryzen 7 3800XとRyzen 9 3900XTはおおよそ4000円ちょっとの価格上乗せとなる。Ryzen 5 3600XTは例外的にCPUクーラーが付属するため、Ryzen 5 3600Xを選ぶ理由はなくなった、と言っていいだろう。
ちなみにRyzenのブーストまわりの制御に使われるPPT/EDC/TDCの3パラメーターはPPTが142W、EDCが140A、TDCが95Aだが、こちらも既存のTなしモデルと共通である。
AMDの資料によれば、Ryzen 3000シリーズ対応BIOS導入済みのマザーボードであればRyzen 3000XTシリーズは動作するとあるが、この新CPUと次期APU(Renoir)対応を含めた「AGESA Combo V2 1.0.0.2」仕様のBIOSをリリースしているメーカーもある。万全を期すならBIOSを最新版にアップデートしてからCPUを買う、あるいはアップデート済みマザーボードとセットで買うことをオススメする。
この連載の記事
-
第455回
デジタル
「Ryzen 7 9800X3D」が最強ゲーミングCPUであることを証明する -
第454回
デジタル
性能が最大50%引き上げられたSamsung製SSD「990 EVO Plus」は良コスパSSDの新星だ -
第453回
デジタル
性能も上がったが消費電力も増えた「Ryzen 7 9800X3D」最速レビュー、AI推論の処理速度は7800X3Dの約2倍! -
第452回
自作PC
Core Ultra 200Sシリーズのゲーム性能は?Core Ultra 5/7/9を10タイトルで徹底検証 -
第451回
自作PC
Core Ultra 9 285K/Core Ultra 7 265K/Core Ultra 5 245K速報レビュー!第14世代&Ryzen 9000との比較で実力を見る -
第450回
デジタル
AGESA 1.2.0.2でRyzen 9 9950Xのパフォーマンスは改善するか? -
第449回
デジタル
Ryzen 9000シリーズの性能にWindows 11の分岐予測改善コードはどう影響するか? -
第448回
デジタル
TDP 105W動作にするとRyzen 7 9700X/Ryzen 5 9600Xはどの程度化ける? レッドゾーン寸前を攻める絶妙な設定だが、ゲームでの効果は期待薄 -
第447回
デジタル
Zen 5とTDP増でゲーム性能は向上したか?「Ryzen 9 9950X」「Ryzen 9 9900X」の実力チェック -
第446回
デジタル
「Ryzen 9 9950X」「Ryzen 9 9900X」は“約束された”最強のCPUになれたのか? ベンチマークで見えた利点と欠点 -
第445回
デジタル
「Ryzen 7 9700X」「Ryzen 5 9600X」のゲーミング性能はゲームキングRyzen 7 7800X3Dに勝てる? - この連載の一覧へ