海外では4月に発売された「Galaxy S20 Ultra 5G」がいよいよ日本でも発売になります。日本では3月に「Galaxy S20 5G」「Galaxy S20+ 5G」の2機種のみが発売になるとアナウンスされましたが、ネット上では「なぜUltraが出ないのか?」「Ultraを出してほしい」という声もかなり聞かれました。
今回日本で発売になるGalaxy S20 Ultraはauからキャリアモデルとして登場します。しかし、当初日本で出す予定ではなかったことからおサイフケータイの搭載は間に合いませんでした。この部分だけが残念なものの、最近はQRコード決済も進んでいますから、おサイフがなくとも許容できる人も多いでしょう。また、Galaxy S20 Ultra 5Gのカメラ性能は「これでもか」というくらい強力ですから、他の不便さをカバーして有り余るスペックです。「おサイフケータイ用に別途Rakuten Miniを買う」なんて2台持ちもいいかもしれません。
実は筆者も香港のキャリアで5G契約を行なった際に、Galaxy S20 Ultra 5Gを購入して2週間ほど利用しました。香港もハイエンド端末嗜好が強く、Galaxy S20シリーズの中で買うならGalaxy S20 Ultra 5Gにしようと考える香港人が大多数。筆者も同じ考えで買ったのですが、普段から複数の端末を持ち歩いている関係から一旦手放してしまいました。しかし、いざ手元からなくなると寂しく、再び買おうかと思案しているほどです。
Galaxy S20 Ultra 5Gの背面を見るとカメラモジュールがかなり大きく目立ちます。背面から若干出っ張りますが、カバーを付けるとちょうどツライチになるので出っ張りは目立ちません。しかし表面がガラス仕上げなのでここにも保護ガラスを張ったほうがよさそうです。とにかくこのカメラ、目立つだけあって性能も最高です。
Galaxy S20 Ultra 5Gを持って外出すると、せっかくの高性能カメラを試そうと写真撮影する機会が増えました。1億800万画素で撮ったり100倍ズームを試したり、そして動画もあえて8Kで撮影したりなど、カメラを使うことが楽しくなるのです。また6.9型(3200x1440ドット)の有機ELディスプレーは大きく高精細。撮影後のプレビューを見るのにも向いています。
1億800万画素カメラは「とりあえず撮影」しておけば、あとから遠景を切り取っても細かいところまで描写されています。そして光学10倍、デジタル100倍の望遠性能は遠くにあるものをいつでも手元に記録することができます。光学10倍は十分実用的ですし、デジタル100倍は画質が荒いものの記録用として十分使えます。
5G通信は日本ではまだ使える場所は少ないため、現時点ではそのメリットはあまり感じられないかもしれません。しかしエリアが広がれば4Gに戻ろうとは思えないほど高速です。Galaxy S20 Ultra 5Gはこれからサービスが始まる予定の高周波数帯「ミリ波」にも対応していますから、数年先まで使えるわけです。
ちなみに、香港では筆者の契約しているキャリア(SmarTone)で5Gの平均速度が下り400Mbps、上り100Mbpsといったところでした。4Gでは下り100Mbpsに達することはまれで普段は80Mbpsくらい、上りは速くても40Mbpsくらい。4Gと5Gの差は体感的にも歴然と感じます。たとえばYouTubeなどストリーミングの動画配信を5Gで視聴すると、端末内にファイルがあるかのようにサクサク操作も可能です。
スマートフォンの価格は今、2極化が進んでいます。「カジュアルに使い毎年買い替える数万円の端末」と、「高速CPUに高性能なカメラを搭載するプレミアムクラスのモデル」です。これらは同じスマートフォンですが、ターゲットとするユーザー層は大きく違います。日本でも低価格なSIMフリースマートフォンが増えてきたことで、自動車のようにユーザーが自分の求める性能や価格に応じた端末を購入するようになっていくでしょう。
Galaxy S20 Ultra 5Gは10万円を超える高価なモデルですが、ハードウェアは今後数年使い続けられるだけのハイスペックなものです。カメラ性能に関してはしばらくは業界最強という存在になるでしょう。これから数年先までのことを考えて良い製品を買いたい人にとって、Galaxy S20 Ultara 5Gは最良の選択と言えるかもしれません。
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