あの青春RPGの名作が、PC版として復活を遂げた。そのタイトルの名は、アトラスが手がけた「ペルソナ 4」。2008年にPlayStation 2向けに発売された「ペルソナ」シリーズの第4弾で、青春とRPGを組み合わせたゲームシステム、自由度の高さ、怪異と青春を組み合わせたシナリオなどが特徴となっている。そのほか、豪華声優陣とアニメーション、個性豊かなキャラクターも魅力的なポイントだ。
6月14日にSteamで配信された本作は、PlayStation Vita版としてリリースされた「ペルソナ 4 ザ・ゴールデン」を移植したもの。新規イベントをはじめ、アニメーション、キャラクター、スキルなどを追加した完全版である。
PC版ではフルHD(1920×1080ドット)で青春ドラマをパソコンで体験できるようになったほか、可変フレームレート、Steamアチーブメント、トレーティングカード機能も実装。また、デジタルサウンドトラックとデジタルアートブックを付属した「デジタルデラックス版」も同時発売されている。
本記事では、ペルソナ 4に秘められた魅力を掘り下げていきたい。
JRPGの面白さを再確認できるゲーム性
ペルソナ 4では、謎の殺人事件が相次いで発生する田舎町「八十稲羽市」を舞台に、主人公ら「自称特別捜査隊」が「ペルソナ」の力と「絆」を駆使して謎を解き明かすといったストーリーが展開される。現実世界で起きた事件と都市伝説「マヨナカテレビ」の謎を調査しながら、テレビの中の異世界を徘徊する「シャドウ」と戦うことになる。
本作は、JRPGを象徴するコマンドバトル形式を採用している。「戦う」「防御」「スキル(ペルソナごとに付与された特殊スキル。物理攻撃や属性攻撃、サポートなどを発動可能)」「逃げる」といった従来のコマンドを用いて敵と戦っていく。戦闘自体はシンプルでわかりやすく、RPGが初めての人でも馴染めるはずだ。
特筆すべき点は、敵味方どちらも「弱点」があることと、ダウンした敵に対して「総攻撃」を繰り出せることだろう。初めて遭遇した敵に対してあらゆる攻撃を与え、見事弱点にヒットするとダウン状態になる。弱点がヒットするだけでなく、クリティカルヒットでも敵をダウンさせられる。敵がダウンしたら仲間とともに総攻撃を発動すれば、敵に大ダメージを与えられる。敵の弱点を分析し、それに適した戦略プランとメンバーを構成して戦闘を演出するという面白さがある。
敵の弱点を狙って総攻撃を仕掛ければ有利に持ち込める反面、主人公を含む味方自身にも弱点がある。そのため、必ずしもパーティー側が有利とは限らない。そのうえ、敵を倒したところに援軍がやってきたり、思いもよらぬ状況で強敵に遭遇することもある。メリット・デメリットがそれぞれ用意されているため、シンプルながらも手に汗握る戦闘が楽しめるのだ。
また、戦況に応じてペルソナを切り替えることも戦略のひとつだ。最初に主人公だけ利用できるペルソナは「イザナギ」だが、戦闘の報酬として新たなペルソナをゲットできるようになる。「ベルベットルーム」で獲得したペルソナのカード同士を合成すれば、より強力なペルソナを所有でき、戦闘がかなり有利になるはずだ。
ペルソナを育成するだけでなく、新たなペルソナをコレクションするという楽しみ方もできそうだ。
いうまでもなく、本作のジャンルはRPGである。シャドウに対抗するには、プレイヤーおよび相棒となるペルソナのステータスを強化しなければならない。そのためにもレベルを上げる必要があるわけだ。敵と戦って経験値を稼ぎ、コツコツとレベルを上げていくという、JRPGならではの醍醐味が味わえる。
新旧問わず、レベル上げの作業をするだけで懐かしさを見出すほどだ。このように、JRPGの面白さを再確認できるゲーム性が本作の最大なる魅力といえるだろう。
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