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「AWS Chatbot」のSlack Appを提供開始、チャット形式でAWSリソース管理を迅速化

AWSとSlackが戦略提携、“ChatOps”促進やSlackコール基盤強化など図る

2020年06月05日 12時45分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 Amazon Web Services(AWS)とSlack Technologiesは2020年6月4日(米国時間)、複数年にわたる戦略的イニシアチブでのパートナーシップを発表した。Slackと「AWS Chatbot」の連携により開発者がSlack上ですばやくAWSリソースを管理できる“ChatOps”の機能を提供開始したほか、「Slackコール」をAWSの「Amazon Chime」により機能強化するなどの取り組みも行う。AWSがSlackを全社導入したことも発表されている。

AWSとSlackのパートナーシップによる取り組みの1つとして、ChatOpsを実現する「AWS Chatbot」のSlackアプリを提供開始(画像はSlack Appディレクトリより)

 今回、両社が戦略パートナー提携に基づいて発表した取り組みは次のとおり。

●Amazon ChimeベースでのSlackコールの機能強化:Slackコール(Slack内蔵の音声/ビデオ/スクリーン共有機能)をAmazon Chimeの音声/ビデオ通話インフラ上に移行し、リアルタイムコミュニケーションの品質や信頼性、セキュリティ、ユーザーエクスペリエンスを向上させる。Slackコールの既存インタフェースに変化はないが、将来的にはモバイルビデオ通話機能などの新機能も追加していく方針。

●「AWS Chatbot」や「AWS Appflow」のSlack連携;AWS ChatbotのSlack Appを提供開始し、既存のSlackチャンネル上で迅速にAWSのリソース管理ができるChatOps環境を実現する。

 また、今後数カ月をかけてデータフロー自動化ツールであるAmazon AppFlowとSlackの連携機能も刷新し、複数のSlackチャンネル/AWS間における双方向のデータ連携を、ノーコード/数クリックで構成可能にする。ヘルプデスク用SlackチャンネルのメッセージをAWS側で統計分析やセンチメント分析(感情分析)するといった活用例が挙げられている。

Slack+AWS Chatbotを介したChatOpsの例。ユーザーがチャット形式でLambdaファンクションの実行を指示し、Chatbotがそれを実行している

AWS ChatbotがCloudWatchのアラートをSlackに投稿。ここから直接エラーログなども参照可能であり、迅速なトラブル解決を支援する

●セキュリティ(暗号鍵管理):エンタープライズ向けセキュリティ機能として、SlackではAWSとの提携のもと、「Slack Enterprise Key Management(EKM)」を2019年から提供している。これは、Slack上のメッセージやファイルを暗号化する暗号鍵を「AWS Key Management Service(KMS)」上で安全に管理する機能。Slackによると、現在すでに90社以上が採用しているという。

 Slack公式ブログによると、AWS CEOのアンディ・ジャシー氏は、今回の両社提携を通じて「開発チーム内のコラボレーションだけでなく、アプリケーションのフロントエンドからバックエンドのクラウドインフラまでを効率よく管理する仕組みを提供する」とコメントしている。

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