「緊急対応」から「沈静化」フェーズに移行した今こそ取り組むべき課題解決と支援策を提示
日本MS、コロナ後の中堅中小企業“ニューノーマル”に向け支援拡充
2020年05月28日 07時00分更新
コロナ後の“ニューノーマル”に達するまでには「3つのフェーズ」がある
政府の緊急事態宣言はいったん全面解除となったものの、今後もまだ感染拡大の“第2波”が来るリスクも考えられる。そうした状況に適応しつつ事業継続を図り、ニューノーマルの時代に備えるために、中堅中小企業は何をすべきか。それについて三上氏は、企業へのヒアリングを通じて「だいたい3つのフェーズに分かれることがわかってきた」と語った。
まず緊急事態宣言発令以降、ここまで行われてきた第1フェーズのリモートワーク移行は、あくまでも緊急対応の“付け焼き刃的”なものだった。宣言解除によって第2フェーズの「沈静化」に進んだのが現在の状況だが、再び緊急事態に戻るリスクもある。そこで、緊急対応の中で見えてきたさまざまな課題に対して早急に手当てを行い、事業回復への対応として、「付け焼き刃的ではなく、本当の意味で会社にリモートワークを実装すること」が必要だと強調する。
そして緊急事態が完全に収束した後でも、もはや以前の状況に戻ることはないだろう。その新しい時代、ニューノーマルに適合する事業戦略への変革、社員や組織の意識改革、さらには新たなビジネスへの変化や拡大が求められることもあるだろう。これがフェーズ3だ。
なお同説明会では、この「3フェーズ」それぞれの顧客およびパートナーソリューション事例も紹介された(詳しくは後述)。
3つのフェーズそれぞれにある企業を支援する施策を強化拡充
三上氏は、マイクロソフトではこの3フェーズのどの段階にある中堅中小企業に対しても、それぞれに適した支援をしていく姿勢であると強調した。すでにさまざまな支援策を提供しているが、今回それをさらに拡大、延長する発表を行っている。
たとえばフェーズ1におけるコミュニケーション環境支援として、「実際に使うところまで支援したい」(三上氏)という狙いから、「Microsoft Teams」の無償トライアルやガイド、トレーニングビデオの提供に加えて、新たに無償オンラインワークショップの提供範囲を拡大する。またデスクトップ環境支援では、クラウド型の仮想デスクトップサービス(DaaS)「Windows Virtual Desktop(WVD)」の導入支援についても、引き合いが非常に増えていることから当初6月末までとしていたものを7月以降も延長する。さらに「セキュリティ診断サービス」も拡大していくとした。
さらに6月1日からOEMメーカーと共に始動させる「中小企業の応援プロジェクト」も紹介した。三上氏によると、これは、リモートワーク向けに推奨されるモバイルPCとTeamsを組み合わせて提供し、さらに「リモートワークを進めるためのステップバイステップのガイド」も提供するという。加えて、オンラインセミナーなども開催予定だと述べた。
フェーズ2、3の顧客への支援策としては、たとえば「X(クロス)インテリジェンス・センター『よろず相談所』」を開設したと発表した。これは、現在の事業課題をテクノロジーで解決したいものの、具体的に適したものがわからないという顧客に対し、ソリューションの枠を越えた技術相談でサポートする組織だという。