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松村太郎の「アップル時評」ニュース解説・戦略分析 第96回

アップルの強さが際立つ1年になりそうだ

2020年05月13日 09時00分更新

文● 松村太郎 編集● ASCII

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●モバイルから、モバイルしない、へ

 ここでアップルの主力製品、iPhone、あるいはスマートフォンが属するカテゴリは、モバイルです。モバイルは、動き続ける人々の情報化を実現する製品でした。しかし我々は外に出なくなり、モバイル機器が活躍するチャンスが、非常に限られていると言うことなのです。

 Stay Homeな生活様式は、デバイスの歴史から見れば、非常に大きな揺り戻しと言えます。外に出てもつながることが価値だったのに、外に出なくなったため、スマートフォンの弊害が際立つ結果になってしまっているのです。

 たとえば、画面サイズ。スマートフォンは外出先に持ち運べる最も身近なディスプレーでしたが、家にいるなら50インチのテレビもあるし、20インチのディスプレーがつながったデスクトップパソコンも、13インチのノートパソコンも、10インチのタブレットもあります。

 あるいは入力手段に関しても、画面のタップよりキーボードやマウスの方が快適、という人はまだまだ多く、わざわざ家にいるのに小さな画面と小さなキーボードを使う必要はない、というわけです。

 モバイルから非モバイルが前提に変わり、デバイスに求められる条件も変わってきている。そんな瞬間に立ち会っていると考えていいのではないでしょうか。

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