設計目標は十分に達成
量産開始も間近
ではその性能は? ということで機械学習ベンチマークのMLPerfを実行した結果を紹介する。
まず下の画像が4種類のネットワークを実行した場合のレイテンシーで、小さいほど良いわけであるが、SSDでインテルの2ソケットXeon 9282にわずかに劣るものの、他のすべての構成よりも十分高速である。
一方、下の画像は5種類のネットワークを実行した際のスループットで、こちらは高いほど高速である。結果を見るとおおむねNVIDIAのAGX Xavierにやや劣る程度というあたりだろうか?
ただ冒頭に述べたコストあたりの性能、それと低いレイテンシーという設計目標は、十分に達成できたというのがCentaurの見解である。
現状Centaurは、TensorFlow Liteに対応したラインタイムを用意しており、TensorFlowやPyTouchその他への対応を進めているとしている。ドライバーに関してはUbuntu対応のLinux版のみで、Windowsは今のところ考えてない模様だ。
消費電力は未公表で、質疑応答で数字を聞かれたGrenn Henry氏は「10Wから100Wの間」という返答だった。
見えないのは「誰がどんな形で製品化するのか」で、引き続きZhaoxinから出るのか(同社の製品が中国市場におけるx86ベースのIoT GatewayやIoT Edgeに多く使われているのは事実)、あるいはVIA Technologiesがひさびさにx86ベース製品を出すのか、それとも他のOEMを見つけるのか、現状はっきりしない。
ただすでにWorking Siliconがあるという時点で、量産開始までそう遠くない気もする。コンシューマー向けには縁のない製品だとは思うが、第3のx86ベンダーのしぶとさをひさびさに見せてもらった感じだ。
この連載の記事
-
第801回
PC
光インターコネクトで信号伝送の高速化を狙うインテル Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第800回
PC
プロセッサーから直接イーサネット信号を出せるBroadcomのCPO Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第799回
PC
世界最速に躍り出たスパコンEl Capitanはどうやって性能を改善したのか? 周波数は変えずにあるものを落とす -
第798回
PC
日本が開発したAIプロセッサーMN-Core 2 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第797回
PC
わずか2年で完成させた韓国FuriosaAIのAIアクセラレーターRNGD Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第796回
PC
Metaが自社開発したAI推論用アクセラレーターMTIA v2 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第795回
デジタル
AI性能を引き上げるInstinct MI325XとPensando Salina 400/Pollara 400がサーバーにインパクトをもたらす AMD CPUロードマップ -
第794回
デジタル
第5世代EPYCはMRDIMMをサポートしている? AMD CPUロードマップ -
第793回
PC
5nmの限界に早くもたどり着いてしまったWSE-3 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第792回
PC
大型言語モデルに全振りしたSambaNovaのAIプロセッサーSC40L Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU -
第791回
PC
妙に性能のバランスが悪いマイクロソフトのAI特化型チップMaia 100 Hot Chips 2024で注目を浴びたオモシロCPU - この連載の一覧へ