フロントカメラにもToFカメラを搭載
フロントカメラは画素数こそ3200万画素と大きな変化はないものの、大きな変化となっているのがToFセンサーの搭載だ。ToFセンサーの搭載によってポートレート撮影時のぼかし処理の違和感が減少し、より自然で綺麗なセルフィーが撮影できるようになった。
実際にHUAWEI P30 Proと同じ環境で、同じ顔加工と背景ぼかしのフィルターを付けてセルフィーを撮影してみたのだが、ToFカメラの効果もあってかぼかし部分の輪郭やぼかした背景の立体感などはHUAWEI P40 Proが上だと感じる。
もう1つのメリットとなっているのが、3D顔認証の対応だ。HUAWEI P30 Proはフロントカメラが1つだったので、顔認証は2Dでの対応となりセキュリティー的に弱かった。しかしながら、HUAWEI P40 ProはToFカメラの搭載で顔を立体的に認識し、高いセキュリティーの顔認証を実現できるようになった。ディスプレーには指紋センサーも内蔵されているので、好みの方法でセキュリティーの高い生体認証の利用が可能だ。
もっともその代わりに、デザイン面がやや犠牲になってしまった印象は否めない。HUAWEI P40 Proのフロントカメラはノッチではなく、カメラ部分のみをくり抜いたパンチホール構造となっているのだが、カメラが2つ搭載されたことで穴がやや広く、目立ちやすくなってしまっているのだ。機能を取るかデザインを取るか悩ましいところではあるが、後者を重視する人はやや残念な印象を受けてしまうかもしれない。
【まとめ】申し分ない性能だが
GMS(Google Mobile Services)に非対応が惜しい
今回は海外版ということもありフライトモードにした状態で使用しているため、カメラ以外の機能はあまり試すことができていないのだが、性能面についても一通り触れておきたい。HUAWEI P40 ProはチップセットにHUAWEI Kirin 990を搭載しており、5G通信にも対応する。海外版はメモリー8GB、内蔵ストレージ256GBとなっている。
またSIMはデュアルSIM構造で、5Gが利用できるのはそのうち一方のみ。ただし、一方のSIMは物理SIMだけでなくeSIMを利用することも可能で、このままの形で国内に投入されれば対応するサービスの自由度はかなり高くなりそうだ。
バッテリー容量は4200mAhとかなり大きく、最大40Wの「HUAWEI SuperCharge」と、最大27Wの「HUAWEI SuperCharge」に対応。ケーブル経由でもワイヤレス充電経由でも急速充電が可能となっている。
一方で気になるのは、やはりさまざまな経緯からGMS(Google Mobile Services)に対応していないことだろう。Google Playに代わるアプリストアとして「AppGallery」も用意されているが、利用できるアプリが限られ高いハード性能をうまく活かせないのが惜しい。
もちろん現段階ではHUAWEI P40 Proの国内投入は未定だ。しかしながら、デザイン性の高い本体と強化されたカメラ性能、5Gへの対応など、先進的な要素を詰め込んだHUAWEI P40 Proが魅力的であることに間違いない。「HUAWEI Mate30 Pro 5G」がGoogle Playの搭載がなくても日本市場に投入されただけに、何らかの形で日本にも投入されることを期待したい。
「HUAWEI P40 Pro」の主なスペック | |
---|---|
メーカー | ファーウェイ |
ディスプレー | 約6.58型有機EL |
画面解像度 | 1200×2640ドット |
サイズ | 約72.6×158.2×8.95mm |
重量 | 約209g |
CPU | HUAWEI Kirin 990 (オクタコア) |
内蔵メモリー | 8GB |
内蔵ストレージ | 256GB |
外部ストレージ | HUAWEI NMカード(最大256GB) |
OS | Android 10(EMUI 10.1) |
無線LAN | IEEE802.11a/b/g/n/ac/ax(2.4/5GHz対応) |
カメラ | アウトカメラ:約5000万画素(広角/F1.9) +約4000万画素(超広角/F1.8) +約1200万画素(望遠/F3.4) +ToFカメラ /インカメラ:約3200万画素(F値2.2) |
バッテリー容量 | 約4200mAh |
FeliCa/NFC | ×/○ |
防水/防塵 | ○/○(IPX8/IP6X) |
生体認証 | ○(画面内指紋、顔) |
USB端子 | Type-C |
Qi | ○ |
カラバリ | Black、Deep Sea Blue、Ice White、Silver Frost、Blush Gold |
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