セミナーと個別相談会への積極的な参加で短期間での導入を実現
「アカウント登録の壁」でつまづいたダスキン草加がLINE WORKSになじむまで
2020年04月10日 09時00分更新
従来、LINEで行なっていた業務上のやりとりをLINE WORKSに移行したダスキン草加。導入当初は「アカウント登録の壁」でつまづいたものの、セミナーや個別相談会での情報収集が功を奏し、今ではLINE WORKSの導入効果を加盟店に語るまでに成長した。1年間の導入までの苦労と成功のポイントをダスキン草加 代表取締役 田上誠児氏に聞いた。
3人が別々のアカウントを作成し、うまくいかなかった半年間
ダスキン草加は、ハウスクリーニングや家事代行、害虫駆除などを手がけるダスキンの加盟店で、草加、八潮、吉川、越谷、松伏などの地域で、1万件以上の実績を持つという。そんなダスキン草加の代表取締役 田上誠児氏は、ITに遅れがちな業界や加盟店に「デジタルシフト」を説いている。
もともとダスキン草加は従業員同士のやりとりに長らくLINEを使っていた。しかし、あくまで個人アカウントなので、メンバーが退社するときには、やりとりの削除はあくまで本人に依頼するしかなく、情報管理上の課題感があった。また、スケジュールに関しては別途Googleカレンダー、掲示板に関しては紙のものを使っており、これらもデジタルで統合する必要があった。「これまでいろいろなツールを導入しましたが、リテラシの差で使う人と使わない人がでてきました。従業員に浸透させようと思ったら、いかにシンプルにするか重要なのですが、なかなかいいのが見当たりませんでした」と語る。
このニーズを満たすのがLINE WORKSだった。LINE WORKSに惹かれた理由は「LINEユーザーともつながる」という点だ。「Chatworkを社内で使っていたのですが、B2Cに拡がりがないと感じていました。でも、LINEとつながるLINE WORKSであれば、お客さまともつながれます。すごく魅力的でした」と語る。
昨年の3月頃にたまたまLINE WORKSを知り、社内の幹部3人で使ってみたが、実は半年間うまくいかなかった。「今から振り返れば、同じ組織なのにもかかわらず、3人が別々にアカウントを作成し、トークしていたのが原因でした」と田上氏は振り返る。
セミナーや個別相談会で情報収集 毎日の声がけで現場に浸透
LINE WORKSでは、利用する企業・組織の「ワークスグループ」を管理者として新規開設するとともに個人アカウントを作成し、その「ワークスグループ」にユーザーを追加(または招待)するという流れになる。しかし、ダスキン草加では3人の幹部が管理者としてそれぞれワークスグループを作ってしまったため、同じ会社・組織のビジネスチャットとして利用できなかったのだ。
約半年後、あるメンバーがその誤りに気がつき、アカウントを作り直したという。「まずはダスキン草加の会社名でワークスグループを開設し直し、管理者画面で部署ごとの組織も作成しました。会社で使う場合、従業員の個人アカウントもあらかじめ管理者画面で作成し、所属組織も設定してから始めた方がスムーズだとわかったのです。幹部でのテスト運用後、従業員にお知らせしました。そうしたら、今までのつまづきが嘘のようにトークが始まりました」と田上氏は振り返る。
アカウントを作り直してから約2ヶ月、田上氏などはわからないところがないかを毎日のようにメンバーに尋ね、普及に務めた。「LINE WORKSは機能が豊富なので、『大切な情報を消しちゃいそうで怖くて触れない』とか、『トークからスケジュールに行ったら元に戻れない』といった声がありました。だから、まずはトークのみ使ってもらい、普通のLINEと変わらないことをアピールしました」(田上氏)。最初は1対1の個人トークだったが、所属組織ごとのグループが自動生成されるので、従業員展開後はグループトークがスムーズに始まった。
トークに慣れた後はスケジュールに進んだ。もともと部署ごとにスケジュールの管理方法がばらばらだったため、これを一元化するのはLINE WORKS導入の大きな目的だった。当初はトークグループのサブメニューのカレンダーを利用していたことで思い描く使い勝手にならずにいたが、LINE WORKSの初心者向け個別相談会でアドバイスを受け、チーム全体の予定が一目で把握できるようになった。
スケジュールの見える化は大きかった。現在ダスキン草加では、個人用、事業部用、年間計画まであわせて全部で10くらいのカレンダーが用いられている。社員は全部を見られるようになっており、パート・アルバイトは所属グループのみ見られるようになっているという。「幹部だけではなく、社員や準社員まで含め、たくさんの目で見られるようになったのが大きいと思います。業務の詰まり具合や空き状況が互いにわかるので、作業負荷に合わせて業務量を調整できるようになりました」(田上氏)。
今後は加盟店同士や顧客ともLINE WORKSでつながりたい
昨年の11月には従来使っていたLINEやChatwork、G SuiteなどもLINE WORKSへ統合し、ダスキン草加で標準コミュニケーションツールとなった。紙だった掲示板も、AirDropで個別にやりとりしていたファイル共有もすべてLINE WORKSになったという。
導入がうまくいったポイントは、セミナー参加や情報収集を積極的に行ない、あきらめずに試行錯誤を繰り返したことだ。まずはLINE WORKSの全体像をつかみ、ワークスモバイルジャパンの初心者向けセミナーと個別相談会に参加したことで、業務課題の解決や現場へのツールの落とし込みにまで進むことができた。
田上氏は自社での体験が素晴らしかったこともあり、今ではLINE WORKSの導入や効果について他の加盟店に話す立場になっているという。「LINE WORKSの販売パートナーになりたいと思い、ダスキンの本部にリクエストを投げました(笑)」ということで、すっかりファンになったようだ。
今後はダスキンの加盟店同士をLINE WORKSでつないだり、当初描いていた顧客のLINEともつないで行きたいという。田上氏は「私たちはLINE WORKSを使っているので、LINEとつなぎましょうということはすでに名刺に入れてあります。まだまだ数件ですが、本格的に増やして行きたいと思います」と今後の計画について語る。