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あのクルマに乗りたい! 話題のクルマ試乗レポ 第29回

「GT-R is Back!」似て非なるGT-Rの2モデルを一気乗り!

2020年04月05日 12時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) 車両協力●日産

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車両の軽量化はタイムアップの基本

 車両の軽量化、空力性能の向上に加え、GT3車両で見かける9本スポークの軽量かつ高剛性な鍛造アルミホイールと、新開発のハイグリップゴムを用いて走行中の接地面積を最大化したハイグリップタイヤを装着。その奥には、世界最大級のサイズを誇る超高性能のカーボンセラミックブレーキシステムが奢られています。これらに伴い電子制御サスペンションをリセッティング。軽量化したブレーキと相まってバネ下重量を大幅に削減したとのことで、路面をより確実にとらえられるようにしたとか。

アルカンターラで覆われたGT-R NISMOのドライバーズシート

GT-R NISMOの後席。前席はカーボンシェルを採用する

 室内を見回すと、アルカンターラ張りの車内に目が奪われます。そして車両とドライバーの一体感を一段と高めるために、ドライバーの肩甲骨から脇腹、骨盤を安定して支えるシートをRECAROと新開発。カーボンシェルにコアフレーム構造を追加することで軽量化をしながら剛性を高めています。

街を走るGT-R NISMO

 過去MY14、MY17と2台のGT-R NISMOを体験したことがありますが、そのいずれともMY20は異なります。

 MY14は、まさに「レーシングカーで公道を走るとこうなる」を地でいくもので、車内は常に高音のタービン回転音と、低く轟くエキゾースト、そしてミッションのガラガラ音が聞こえる異様な空間でした。さらに街乗りでは、地面から突き上げられる度に、内臓が口から飛び出てくるのではと思える硬さと天上天下唯我独尊の加速力でアクセルペダルを踏むことに躊躇するほど。ワインディングならともかく、街乗り時でこんな怖い思いをする市販車に乗ったことは、その後(現在)も含めて一切ありません。もちろん「コレはコレでアリ」なのですが、さすがにコレ1台で、と言われると遠慮したい気持ちになります。

 ちなみに、N Attack Packageを装着すると、さらに脚が硬くなるという噂を聞いたことがあります。以来、私にとって「ニュルで鍛えた……」とカタログで謳う車は「脚がベラボウに硬いに違いない」というトラウマにも似た感情を抱かせるほどの経験でした。

 MY17は一転してマイルド路線。とはいえ、それはMY14と比べての話で、MY17のGT-R Premium editionと比べたら硬いことに代わりはないのですが、嫌な硬さはなく、ロードバンプでもコツコツっという雰囲気。車内は一気に静粛なものに代わり、これなら日常でも乗れるし、サーキットでも速いだろうから、普段から楽しめるクルマになったなぁと感心。そのいっぽうで、公道公認レーシングカーの雰囲気は減じてしまったゆえの寂しさもあり。つくづく人間ってない物ねだりだと思った次第です。

GT-R NISMOのリア。排気管はチタン製で青い焼き色が光り輝く

 MY20はMY17の延長線上の快適方向なのかと思い乗ってみると、これが驚きのMY14寄り。公道公認レーシングカー路線の復活ではありませんか。室内にはミッションのガラガラ音はないものの、タービンの回転音が聞こえ、野太い排気音が室内にこだまし、雰囲気は満点。街乗りで苦痛と思えば、コンフォートモードにすればまるっと解決。ちなみにRモードはかなりの硬さに驚きますが、それとて内臓が口から……にはなりませんからご安心を。常にレーシングの息吹を感じながら、それでいて普段乗りでも十分というMY20のGT-R NISMOに心の底から拍手喝采。

 なにより「俺はレーシングカーを運転している」と思わせる演出と実力が実に素晴らしく、それがこのクルマを手に入れる意義といえるでしょう。事実、2000万円超えのあまたあるスポーツカーの中で、これほどレーシングを強く意識させるとともに、絶対無敵のパフォーマンスを誇るクルマはほかに見あたりません。

GT-R NISMOのサイドビュー。その美しさはため息モノ!

 さらに高級スポーツカーにありがちな、車幅が2m近くあって一般道の車線幅ギリギリで神経を使うとか、排気音が凄くて夜中に車を出すのをためらうといったこともない使い勝手も美質。何より、車を停めればカーボン武装のボディーに見惚れること間違いナシ! 羽根がついた派手な外装は、伊達ではなく本物だからこその機能美。一流ホテルのエントランスに止めても絵になりそうです。

ワンガンブルーが美しいGT-R Premium edition

 50年目を迎えたGT-Rブランドは、「羊の革を被った狼」感をさらに高めてくれると確信した次第です。快適なGT路線に舵を切ると言った時は、「海外ブランドの同価格帯車種と、そう変わらなくなってしまうのでは」と正直危惧しましたが、それはまったくの杞憂でした。

 とんでもないハイパフォーマンスは停車していても特別なオーラを放ち、ラグジュアリーモデルであってもステアリングを握った瞬間から「レースシーンにつながっている」と思わせてくれることが何よりもうれしい。それこそがGT-Rの存在意義であり、ユーザーに支持されるのではないでしょうか。常にレーシングを意識させる車を生み出し、今も作り続ける日産には、今後もGT-Rの魂を消さないでほしいと強く願うばかり。GT-Rは永遠に不滅です!

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