フィジカルインターフェイス祭りだった:
アップル新型iPad Pro マウスとARの再発明
2020年03月24日 21時30分更新
●コンピュータの未来像に近づいたiPad Pro
小幅に見える今回のiPad Pro刷新。しかしコンピュータの未来像には着実に近寄ったという印象を受けました。
おそらくデザインは、今後当面、現在の姿を維持することになるはずで、だから3万円を超える価格のMagic Keyboardをアクセサリとして登場し、もう数世代利用し続けられる前提にしたのではないかと思います。そうでなければちょっと高いと感じてしまいますし……。
iPad Proをスタンドに立て、Magic Trackpad 2とBluetooth接続のHHKB(キーボード)をつないでも、おそらく非常に快適な作業環境を実現できるでしょう。これらをバラバラと持ち運ぶのは骨が折れますし、そもそもiPad Pro用Magic Keyboardより合計金額は高くなってしまいますが。
キーボードとマウスといった入力装置でノートパソコンに遜色ない選択が可能になったことを考えると、Geekbench 4で1万8000をたたき出すコンピュータが、わずか641g(12.9インチWi-Fiモデル)、薄さ5.9mmに収まっていること自体、既に未来だと評価すべきかもしれません。
加えて、未来のコンピュータは空間を測ることができる、周辺環境を生かして体験を作り出す、それらを記録して共有できる、というコンセプトは、これまでのPCでは考えられなかった「機能」を与えてくれています。
もちろん近い将来、これがエントリーレベルのiPadやiPhoneでも実現できるでしょう。しかしコンテンツを作る人、未来を切り拓く人にとって、今iPad Proを使う必要がある、と断言できます。
筆者紹介――松村太郎
1980年生まれ。ジャーナリスト・著者。慶應義塾大学SFC研究所上席所員(訪問)。またビジネス・ブレークスルー大学で教鞭を執る。モバイル・ソーシャルのテクノロジーとライフスタイルについて取材活動をする傍ら、キャスタリア株式会社で、「ソーシャルラーニング」のプラットフォーム開発を行なっている。
公式ブログ TAROSITE.NET
Twitterアカウント @taromatsumura
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