3週連続で恐縮だが、やっとAMDがRenoirことRyzen 4000 Mobileの詳細を明らかにするとともに、「AMD、ゲーミングノートパソコン用プロセッサー『AMD Ryzen 9 4900H』発表」のとおり新製品の発表も行なった。このあたりを整理して解説したい。
連載548回で予想した
ダイサイズの答え合わせ
Renoirについては連載548回で、CESにおける発表を解説したが、4ページ目と5ページ目で、ダイサイズおよび内部ブロックの推定を試みた。
さて、今回こちらの正解が発表された。ダイサイズは156mm2で、140mm2前後という筆者の推定が激しく(1割ほど)ずれていた計算になる。
ちなみにこのダイ写真を別のスライドから取ったのがこちら。
ここからCPUとGPUの面積を推測したところ、下表のとおりとなった。
CPUとGPUの面積 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|
CPU | 42.3mm2 | |||||
GPU | 26.4mm2 |

CPUに関してはMatisseのダイの3次キャッシュを縮めてそのまま収めた感じだが、GPUに関してはフロント(Shader Engine+L2)は一塊にし、バックエンドを2つに分けて実装しているように見える
CPUについては連載548回でほぼ42mm2と推定しており、これが一致した格好だ。
ただGPUは連載548回で40mm2ほどと想定していたのだが、実際にはこれをはるかに下回る26.4mm2ほどになった。実際連載548回で紹介した7nm VEGAの写真と比較すると、整然さに欠けるというか、より面積の最適化を図ったようだ。ただ逆に言えば、その他の機能の実装が予想以上にエリアサイズを食っていたということになる。

この連載の記事
- 第712回 推論をわずか20mWで実行するエッジAIチップ「ERGO」 AIプロセッサーの昨今
- 第711回 Teslaの自動運転に欠かせない車載AI「FSD」 AIプロセッサーの昨今
- 第710回 Rialto BridgeとLancaster Soundが開発中止へ インテル CPUロードマップ
- 第709回 電気自動車のTeslaが手掛ける自動運転用システムDojo AIプロセッサーの昨今
- 第708回 Doomの自動プレイが可能になったNDP200 AIプロセッサーの昨今
- 第707回 Xeon W-3400/W-2400シリーズはワークステーション市場を奪い返せるか? インテル CPUロードマップ
- 第706回 なぜかRISC-Vに傾倒するTenstorrent AIプロセッサーの昨今
- 第705回 メモリーに演算ユニットを内蔵した新興企業のEnCharge AI AIプロセッサーの昨今
- 第704回 自動運転に必要な車載チップを開発するフランスのVSORA AIプロセッサーの昨今
- 第703回 音声にターゲットを絞ったSyntiant AIプロセッサーの昨今
- 第702回 計52製品を発表したSapphire Rapidsの内部構造に新情報 インテル CPUロードマップ
- この連載の一覧へ