人から人へ、リィイバーがつながる仕組みを強化する
大石氏はリィイバーが持つIoTプラットフォームとしての豊かな可能性を開花させるためには、第1のステップとして松王氏が解説した「ひとりのユーザーが利用できるデバイスを拡大」した後に、「リィイバーの利用者どうしをつなぐ」ための展開が欠かせないと話す。
具体的には家族や友人、あるいはビジネスのワーキンググループ単位で招待・参加できるマイクロコミュニティを立ち上げて、リィイバーのプラットフォームに集まった仲間どうしが互いのデバイスにセキュアな環境の下でアクセスしながら、さまざまな使い方・楽しみ方を共有するイメージを描いているという。
こちらの計画も現在、ベストな提供形態を検討しながら来年度中の実現に向けて動き始めた。
マイクロコミュニティ上で利用できるサービスの一例として、松王氏は「Eco-Drive Riiiverのユーザーがボタンを操作すると、家族が持っているリィイバーに接続されたデバイスにポップアップを表示したり、コミュニケーションを交わし合うような使い方が考えられる」と述べている。
マイクロコミュニティサービスが形になれば、ユーザーがリィイバーをベースに「こういうことをしてみたい」「楽しい経験を仲間と共有したい」というユースケースを起点としたサービスやハードウェアの開発も活性化しそうだ。あるいは一般のコンシューマーに限らず、ビジネス用途を主目的としたグループツールなど、プレミアムサービスが生まれる土壌も肥えてくる。
リィイバー体験イベントの全国展開も企画中
大石氏は、これからも多くの人々にリィイバーの世界観に触れてもらえる機会を、積極的に作りたいと話している。今年は蔦屋書店(※一部店舗を除く)においてEco-Drive Riiiverの体験イベントを実施する計画もあるそうだ。多くの人々から寄せられるアイデアに触れたリィイバーが良い形で化学反応を起こすきっかけになるかもしれない。これからデベロッパ向けにオフライン・オンラインのイベントを数多く企画したいと語る松王氏の言葉にも力が込もっていた。
本インタビュー取材の直後に、シチズン時計が2018年秋にスマートウオッチ分野での業務提携契約を結んだアメリカのフォッシルグループとシチズンが、リィイバープラットフォームでの製品対応に向けた共同開発に同意したことが明らかになった。両社による連携がリィイバーの発展を大きく前進させることになりそうだ。
大石氏は「リィイバーを発表してから1年が経って、ようやく私たちも本当の意味でのスタートラインに立てた実感がある。ここからが正念場と捉えながら気を引き締めて、リィイバーがもたらすユーザー体験を大切に育てていきたい」と意気込みを語った。