シチズン時計が初の独自IoTプラットフォームサービスである「Riiiver(以下、プラットフォームサービスをリィイバーと表記)」と対応するスマートウォッチ「Eco-Drive Riiiver (エコ・ドライブ リィイバー)」を、発表してから1年が経った。
リィイバーはスマートウォッチのようにユーザーを刺激するデバイスや、便利なアプリによるサービスを起点に人と人をつなぎ、新たな「時(=ライフスタイル)」を体験価値として提供するオープンなIoTプラットフォームだ。
今回はシチズン時計でリィイバーの総責任者としてプロジェクトを統括する大石正樹氏、ならびにエンジニア兼システム設計者の松王大輔氏に、誕生から2年目を迎えたリィイバーがこれから仕掛けようとしている秘策を聞くことができた。
「Eco-Drive Riiiver Make Time for Yourself」と第された、Eco-Drive Riiiverを紹介する動画
リィイバーの体験価値をより具体的に見せていく
シチズン時計は、2019年3月に米国テキサス州オースティンで開催されたエンターテインメントとテクノロジーのイベント「サウス・バイ・サウスウェスト 2019」に初めて単独でブースを構え、リィイバーのワールドプレミアを実施した。その後、スマートウォッチはクラウドファンディングを通じて商品化を実現し、2019年秋に日本国内で発売を迎えている。
リィイバーのいわば「仕組み」を紹介した動画
現在、iOS/Android対応のスマートフォンアプリ「Riiiver」(以下、スマートフォンアプリをRiiiverと表記)には、「T:トリガー」「S:サービス」「A:アクション」の3種類に分かれた「Piece(ピース)」と呼ばれる素材が用意され、多種多様なピースをユーザーが自由に組み合わて一連のアクションを「iiidea(アィイデア)」として作成できる。プログラミングやデジタルガジェットの知識に精通していなくても、誰もが新しいユーザー体験のクリエイターになれるというユニークなサービスだ。さらにオープンなプラットフォーム上に、自身が作成したアィイデアを公開できるのがリィイバーの大きな魅力だ。
「リィイバーはユーザーの皆様と一緒に成長するプラットフォームというコンセプトの下に産声を上げて、これまで順調に拡大してきた」と大石氏が振り返る。2年目の今年はさらに一歩踏み込んでリィイバーによる体験価値を具体的に見せていくことを考えているようだ。
シチズン時計は今年も3月に開催が予定されていた「サウス・バイ・サウスウェスト 2020」にブースを出展する計画を立てていた。ところがイベントの開催が直前になって見送られた。今回のインタビューでは特別に大石氏と松王氏に「リィイバーの次の一手」に関する戦略をいち早く語っていただいた。