サムスンやファーウェイに
追いつき追い越せの2大メーカー
世界のスマートフォン販売台数シェア上位のサムスン電子、ファーウェイ、アップルを追いかけるべく、中国の新興系メーカーは端末の販路を先進国にも広げています。MWC20の取材予定で訪問したバルセロナの家電量販店でも、シャオミやOPPOの存在感が目立っていました。
シャオミはスマートフォンだけでなく、スマートスクーターやスマートウォッチなども展開し、スマートライフを提供する企業としてのアピールにも余念がありません。スマートフォンは「Redmi note 7」などコスパ重視のモデルが人気があるようです。
一方、OPPOは2015年からサッカーのFCバルセロナとスポンサー契約を結んでおり、同年以降スマートフォンの限定モデルを販売しています。それもあって、OPPOの名前やロゴを知っているバルセロナ市民も多く、スマートフォンの展示コーナーに立ち寄って最新モデルをチェックする来客の姿も見られました。
さて、ほかのメーカーの状況を見てみると、意外なことにモトローラが目立つ位置に展示されていました。コスパ重視で日本でも発売になった「moto g8 plus」や21:9ディスプレーの「One Vision」など、お手頃価格のモデルを中心に展開しています。モトローラと言えば合体モジュールを取り付けられる「moto z」が顔となるモデルですが、通算1億台を売った「g」シリーズも実は根強い人気を誇っているのです。
そういえば、お隣のポルトガル・リスボンでは逆にモトローラのスマートフォンは見かけず、隣国同士でもメーカーの人気に差があるのは興味深いところです。
それではこれらのメーカーを迎え撃つ大手2社はどんな展示をしているのでしょうか。サムスンは横折り式の「Galaxy Fold」を一番の目玉として展示していました。スペインではまだ「Galaxy Z Flip」は発売になっていないようですね。
そして5Gが始まったスペインでは、Galaxy S20シリーズも最新機能の一つとして5G機能をアピールしていました。お店のスタッフに5Gのことを聞くと、サッカーなどのスポーツ中継が高画質な映像でどこでも見ることができるようになることに期待が高まっているそうです。
また、ヨーロッパ全般にいえることですが、ハイエンドモデルよりもミッドレンジやミッドハイレンジと言った、手の届きやすい価格で機能もそれなりに搭載されているモデルが大きな人気です。サムスンも2020年の新型Aシリーズとなる「Galaxy A51」「Galaxy A71」を展示していましたが、どちらも人気は高そうでした。
一方のファーウェイは「HUAWEI P30 Pro」が一番人気。昨年秋に登場した新色も展示されていました。
また、秋のフラッグシップモデルである「HUAWEI Mate 30 Pro」も当然販売されています。ただしGMS(Googleモバイルサービス)が不在なことから、来客者の多くはHUAWEI P30 Proのほうに興味があるようです。
ほかには傘下ブランド「Honor」の最新モデル、「Honor 20」「Honor 20 lite」も展示。ファーウェイも下位モデルのラインナップは充実しており、OPPOやシャオミとしてはこのクラスの製品が強力なライバルとなりそうです。
ちなみにバルセロナ市内のお店の人などと雑談した時に使っているスマートフォンを聞いたところ、意外なことにシャオミが数名いました。シャオミやOPPOもじわじわと先進国で認知度を上げているようです。
バルセロナを次に訪問するのは1年後になる予定ですが、その時に各メーカーの力関係がどのように変わっているのか、気になるところです。
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